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★双子の秘密(A)
※双子パロ、ゆる過ぎる裏









昼休みになるとひょっこり現れる。



ほら、また来た





俺の双子の妹が。








「景吾!」



澄んだ声は騒がしい教室内でも跡部には届いていたが、
わざと聞こえないフリ。
次は顔を覗いて少し膨れっ面で名前を呼ぶはず…。



「ねー景吾ってば!」


ほらな


「お前な、いくら双子つったって俺の方が先に生まれてんだよ。『お兄様』とか言えねぇのか?アーン?」
「おにーちゃま♪」
「……わかった、お前に言った俺が馬鹿だったぜ」
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだけど」
「はいはい…」

こんなやり取りは毎度のことで、二卵性と言えど負けず嫌いな性格はそっくりだと言われることが多い。頭の良さは別として。

いつもこんな風に休憩時間はここに現れるのだが、コイツは必ず言う台詞がある。



「アタシより数時間前に生まれただけなのに…」
「仕方ねぇだろ、それが常識だ」
「ずるい!」

毎日のように繰り返されるこの会話。
飽きねぇな、俺も…





「で、今日は何の用だ?」
「…用がないと来ちゃだめ?」

不満げに首を傾げて見つめてくるこの顔に俺は昔から弱い…。その甘さを自覚はしてるのに直らないのが実に腹ただしい。

小さい頃は名前の主張を「駄目だ」と言えば大泣きしていた。今は泣くことはないにしろ嫌われるのだけは避けたいのだ。





「おー名前じゃん」
「やっぱ美男美女が揃うとオーラがちゃうわ」

揃って現れた岳人と忍足の声に振り向く名前。
あぁ…見えない尻尾と耳が見えるぜ


「がっくん!おっしー!」

二人を見て喜ぶその姿は正に子犬のようで、見えない尻尾がパタパタと世話しなく動いていると跡部は感じていた。

名前はテニス部のマネージャーをやっているため部員達にとても懐いている。あまり良い気はしないが、何かあった後では遅いので身近に置くようにしたのだ。



「今日も兄妹仲良しやな〜」
「「まぁな(ね)」」


跡部は上から見下すようにフフンと、名前はニッコリと微笑み、息がピッタリな双子にクラス全員が『シスコンとブラコン』と思っているのだった。








「おっしー風邪大丈夫?」

昨日風邪で休んだ忍足を心配して名前が問い掛けた瞬間、ハッと気付いた跡部は咄嗟に名前を引き寄せる。

「名前に近寄るんじゃねぇよ!移るだろーが!」


過保護過ぎる跡部に忍足は深い溜息をつき弁解する。

「いや、もう治ったから来たんやけど…」
「まだウイルス残ってるかもしれねぇ」
「親父に見てもろたから大丈夫やっ!」
「信用出来ねぇな」
「うちの病院使っとるくせに何言うとんねん!」


跡部の俺様な態度に「何を言っても無駄だ」と思いつつもツッコミを入れてしまうのは忍足の性か、はたまた跡部がそうさせるのか…。



「とにかく!名前、忍足に近付くんじゃねぇ、わかったな?」
「何で?」
「なんででもだ!!」
「わ、わかった…」

ガシッと両肩を掴み睨み付けられるように見つめられ、その気迫に名前は一歩後退。

跡部はというと、納得した名前を引き寄せて自分の胸に抱き留めていた。回りに見せ付けるように…。



そう


帝王と称されている跡部景吾、

ただのシスコンじゃないんです



超ーーーシスコンなんです…








そして部活の時間が跡部にとって1日で1番苦労する時間である――。


『キャー!跡部様ー!!』


「今日も相変わらずだな…」
「宍戸」

毎日毎日飽きもせず叫び続ける彼女らに宍戸はゲンナリとその原因――跡部へと語りかける。
そして追い掛けて来た鳳は宍戸とは違う方を見ながら跡部に同じ台詞を繰り返した。

「名前先輩の方も相変わらずですね」
「あぁ…」



『名前ちゃーん!!』


跡部の苦労とは、跡部並の人気を誇る名前を守ることだ。相手が男だけに過剰な保護ぶりを見せることもしばしばあるという。

「名前!あんな奴らに笑いかけてんじゃねぇ!」
「え、だって呼ばれたから…」

それを解っていない名前。跡部の苦労は報われない。
それでも大切な妹の為に練習中以外は気にかけるようにしているのだ。








部活が終わり汗を流すため跡部達は部室内のシャワー室へ向かった。それを確認した名前は部室へと入って行った。


シャワーだけで数十台ある為、使うシャワーは個人別に決まっている。シャンプーやボディーソープなど置きっぱなしなのだ。
ちなみに跡部は当たり前だが高級品を使用している。

バタンと扉を閉め、蛇口を捻りお湯を出す。全身の汗を流しボディーソープへと手を延ばした…。





「はい♪」
「あぁ、ありがとよ………?」






……ん?





「なっ!?名前!」
「何?」

ニッコリと微笑むその姿は何も着ていなくて…

「『何』じゃねぇだろ!何で入って来てんだ!」
「いつも一緒に入ってるじゃん」
「だからってなぁ…!!」

名前がシャワー中に入ってくるのは一度や二度だけではないのだ。、レギュラー陣はというと本心は「見たい!」という気持ちがあるものの、以前忍足が覗きをした時に跡部に殺されかけたことがあるので誰も実行する者はいない。

先に入っていたメンバー達は直ぐさまシャワー室を出て行ったのだった…。



「入るなら家でいいだろ?ここで2人は狭ぇんだよ」
「私も汗流したい!」
「なら俺が終わった後に入れ」
「いつも一緒なんだからいいでしょ?」


ね?と本日二度目の上目使い

たじろく跡部



「仕方ねぇな…」



結局折れるのは跡部の方で…





「やった!」
「でも……」



ニヤッと笑いながら顔を近づけ軽く唇が触れた…。

それを合図に跡部は蝕むような口付けを名前に贈る。立ち込める湯気と酸欠になりそうな激しいキスに名前の意識は朦朧としていた…。

「……景…っ…」
「…っと」

足腰立たずフラフラになっている名前の体を支えながら跡部は耳元に唇を寄せ低く艶めいた声呟く…。





「コレの責任はキッチリ取ってもらうぜ?」


妖しい笑いを浮かべる跡部の下半身を見つめる名前だった。








跡部家の双子は仲が良いと評判です。


夜も毎晩仲が良いそうです――。








それは、

双子の秘密

(ッ…狭ぇ…)
(け…ごのがっ…おっき…んだ…よっ…)
(違ぇ…!場所のこと…だっ)
(ッ…!!)
(フッ…随分エロいんだなっ…名前ちゃんよぉ…?)


――――――――――
フリリク 巳影朔夜様へ
最後は跡部のジャンボジェット機で…(ry




あきゅろす。
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