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◆めっちゃ好っきゃねん(S)



「うわっ…すごい人…」



年が明けての初詣

着物を着付けしてもらい、友達と待ち合わせ



…なんだけど、












「遅い…」


待ち合わせは30分前

あの子何やってんのかなぁああああ?!



携帯の時計を確認しながらメールを送ったものの帰ってくる様子もないし…

どうしようかと顔をあげると、遠くに見知ったミルクティー色の髪の毛を発見。私服姿は知らないものの背格好からして彼に違いない。



「しーらいし!」
「…ん?あ!名前やん」
「あけましておめでとー」
「あけましておめでとさん、今年もよろしゅー」
「こちらこそよろしくね!」

年初めの挨拶が終わり、白石はまじまじと私の姿を見つめてきてきた。


「着物ごっつ似合うやん!可愛えぇわ〜」
「…どうも」
「やっぱえぇな〜着物、脱がし方分からへんから困るけど」
「………」




所謂、彼は変態である





「し、白石は一人なの?」
「いや、妹連れて来たんやけど友達と行くー言うて…まぁ結局一人なんやけどな」
「そうなんだ」

てっきりテニス部の奴等といるのかと思った…。テニス部にしか友達いないのか?ってぐらいに一緒にいるし。



「名前は?待ち合わせなん?」
「うん、彼氏と」
「はぁあああああああああ!!!??」


冗談で言った一言に白石はこれでもかというぐらいに目を見開いた。

いや、つーかうるさい!
周りの人みんなこっち向いてるし!ハズいハズい!!



「アカーン!アカンで名前!俺以外の男は認めへんわ!」
「アンタは私の父親か!しかも白石以外ダメなの!?」
「アーカーン!」
「うぉおおい!私にも恋愛する権利を!!」
「やから俺と恋愛すればええやんか」
「ダメだ…眩暈が…」


なら俺ん家行こか?と差し出された手を思いっきり叩き、痛がっている彼を見て笑っていると突然着信音が鳴り響いた。



名前を確認

遅いっつーの!





「もしもーし」
『あ、名前?今な、途中で謙也に会って二人で行くことになったからよろしゅ〜』
「…へ?」
『邪魔せんといてってこ・と』
「え!ちょ、待っ…

ブチッ


……切りやがったあのヤロー





怒りを抑え切れず携帯をフルフルと震わせていると、白石は心配そうに顔を覗き込んできた。

顔、綺麗すぎて逆に腹が立つんですけど…


「どしたん?」
「……フラれた」
「え……マジで?」
「先に約束してたの私なのに酷いよね」
「最低やな、その男」





…あ、そういえば彼氏だって言ったの忘れてた



「ごめん、さっきの嘘なんだけど」
「さっきのって…?」
「彼氏」

そう言うと白石はキョトンして目をパチパチと瞬きを繰り返す。ちょっと可愛い…

「じゃあ誰やったん?」
「友達だよ」
「…何や、良かったわ〜」



力無くヘラっと笑った顔に不覚にもドキッとしてしまい、気のせいだと落ち着かせる。

何でドキドキしてんの私…


しかし白石の一言で私の心臓は音が聞こえるんじゃないかというほど高鳴ったのだった――。








「せやけど俺やったら絶対フラへんで?やって…





めっちゃ好っきゃねん



(なっ!?)
(あ、顔真っ赤や。かーわいー)
(えっ、ちょっ何言って…)
(めっちゃ可愛えぇ…)
(…んッ!?)
(ごっそーさん)
(こここ公衆の面前でっ…!!)





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タイトル>カウコンで某関西グループの曲を某5人グループが歌ってて使いたくなった



あきゅろす。
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