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勘違いも程々に(S)
※ヒロイン関西弁





「数学なんて眠いだけやわ〜」


「なら俺が添い寝したるで!」








「…………ん?」












ただ今、3限目

勿論授業中。


「ななななんでここにお前がおんねん!」
「何でて…名前に会いに来たらあかんの?」
「今は授業中やーー!!!」



何故か違うクラスの蔵が隣にいたんです――。









「名字ー、静かにせんとシバくでー」
「あ、ハイ…すんません…」
「白石はちゃんと教科書開いとけよー」
「はーい、わかっとりますー」



いや、先生!注意せな!!

なにこれなにこれ
イジメ?先生ぐるみのイジメ?
怖いわ〜…

「千歳どこいったん…」

隣の席は千歳のはずなのに、何故かそこには蔵が――。

「屋上で昼寝やて」
「まだ昼前やん」
「…屋上で昼前寝やて」
「昼前寝ってなんやねん」

ボケにツッコミを入れてしまうのは関西人の習慣。

……っじゃなくて!


「なんでアンタ来てん?」
「せやから名前に会…
「黙っとれ」
「照れへんでもええやん」
「照れてへん!!」

何でコイツはいっつもこうなんや!
ウザイ!
顔は綺麗でカッコイイのにかなりウザイ!

まぁウザイだけならまだしも、他に重大な問題がある。





「ずっと名前見てたいわ〜て思たら体勝手に動いてん」
「……っなんや…それ」
「あ、赤なった」
「なっ…なってへん!」

熱くなる顔を抑えつつ蔵を睨むと、俺めっちゃ愛されとるな〜とか吐かしとるからムカついて頭叩いてやった。





「んー!エクスタシーや!」



これや、これ!

一番問題なのがこの「エクスタシー」や!
何がエクスタシーや!何が絶頂やっ!!
叩かれてエクスタシーとかただの変態やっちゅーねん!


「……蔵、Mなん?」

あのプリンスとか言われとる蔵がMて!
笑えるどころか引くわ〜…



「俺Mちゃうで?ドSや!」
「ぶっ…!!」

ななな何を高らかに言い切っとんねん!!
ドSて!?
もうイヤやこの男…誰か助けてー








「ほらなこの問題は、そこのラブラブカップルの旦那に聞いとこか」


先生の口からは耳を疑いたくなるような台詞が発せられた。
視線を上げるとクラス全員の視線が集まって…

否が応でもうちらのことになっとる!?



「誰がカップ…
「y=-(2/3)x2乗です」
「正解や」
「……」

サラッと答を述べた蔵は問題を10秒ほど見ただけ…。なんちゅー頭しとんのや…





「じゃ、次は嫁さんに答えて貰おか」
「よッ…嫁?!」
「あ〜…えぇわその響き…」
「蔵!何アンタ悦顔しとんねや!」

キショイキショイっ!その表情やめぇや!
そして近づいてくんなっ!


「何でもえぇから早う答えや、名字」
「ちゃうで先生、名前は『白石』になるんやでー」
「あ、そやったな。白石名前答えや」








もういややーー!!!









***


「…な、なんじゃこの問題…」

意味不明な単語(ただの因数分解)に頭を悩ませていると、嫌みを含む笑いが隣から聞こえてきた。

「わからへんの?教えたろか?」
「…結構ですー」

ニヤニヤニヤニヤ笑いおってキショイねん!
こんなもん「わかりません」言うとけばええんやし…

「白石名前ー、わからへんかったら補習やで?旦那、教えたってな」
「まかせとき!」








だ、


誰か助けてえええ!!!





勘違いも程々に

(う…わからへん…)
(時間切れや、補習やな)
(うえーん!)

(名前!お仕置きタイムやで)
(その言い方やめてくれへん?)
(なん?名前はそっちを希望しとるん?)
(ぎにゃー!近寄るなー!)


――――――――――
初蔵!関西弁は難しい…orz初めてなのに変態になった(笑)





あきゅろす。
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