2 「住まわせてやってるんだから家事くらい手伝ってよ。」 「住まわせてもらってるつもりはありません。」 勝手に住んでるだけですから、 骸は別に捻くれて言ったわけじゃない。現に骸は雲雀の許可もなしに勝手に住み着いているし、してもらってるという気も骸にはなかった。 こいつ、本気だ。 「君が前世の記憶を覚えてるのは知ってる。」 それが原因で母親に邪険に扱われていたことも、ね 「僕は前世なんて信じない。」 「でも雲雀君、僕は本当に前世のことを覚えているのです。その前の命も、その前も、」 骸の瞳が不安げに揺れる。素直に 綺麗だ と、思った。 「君が嘘を吐いているとも思ってない。」 過去の記憶があることを珍しいとはやし立てる気もないし、その色違いの瞳を気味悪いとも思わない。 君の産まれもった性質をさげずむ気も馬鹿にする気も、ましてや崇める気もない。 だから、僕は君を特別扱いする気はないから、 ここに住むかぎり家事くらい手伝ってもらうよ。 雲雀はとても綺麗(ニヒルとも言える)に笑ったから、つられて骸も微笑んだ。 |