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深く頭を下げまま、何も言わないもん吉くんはさんほうちゃんとさんほうちゃんの未来のため自分がどうなっても良いと強く宣言してしまいました。

その言葉を大分前から望んでいた勒帋は手を合わせ拍手しながら地に頭を下げるもん吉くんに近づきます。



「よく言ったな、孫悟空。ではこちらに来い。洪草もそんなことしてないで早くしろ。作戦通り玉龍も連れて執行室に行くぞ、」

「は、はいっ…」

「さんほうはそこに居ろ。帰ってきたらお前にも罰があるか

「みんなっ、行ってはいけません!勒帋と洪草は貴方達を殺そうとしているのですよ!!!!」



涙声で叫ぶさんほうちゃんの声は届かず、拘束された4人はみんな勒帋と洪草に連れられ執行室に行きました。

『執行』と言う言葉はこの国では『罪人を殺す』意味で使われる恐ろしい言葉なのです。



「お師匠様!

「もん吉…」

「オレ、お師匠様を残して死にませんから。が太郎もとん平ももちろんたまちゃんも…死にませんから。」



罰を受けるはずのもん吉くん達は何故か笑顔で勒帋と洪草の後に着いて行きます。仲間を失った哀しさに呆然とするさんほうちゃんはその自信が不安です。

でももん吉くんやが太郎くん、とん平くんもたまちゃんも縄を引かれても颯爽とした出で立ちで部屋を後にします。



「必ず…、必ず戻って来てっ、私は貴方達が居なかったら…貴方達でなきゃもう誰も信じることが出来ませんっ、」



昔から親しく、親のような存在だと思っていた勒帋と洪草に裏切られたさんほうちゃんは啜り泣きながら消えていく仲間達を見送ります。

そんなさんほうちゃんの様子を見ていた洪草は何故か歯を食いしばりながら勒帋の後に付いて行きました。









走ってきた洪草は項垂れるさんほうちゃんの前に座り透かさず土下座をしました。

こうなったのは全て自分の所為であると、拙い口調で語るのでさんほうちゃんは何がなんだか…よく状況が理解出来ていません。



「お、落ち着いて洪草!一体どういうことで、

「お師匠様♪ただいまー!」

「んもも、もん吉!?」

「ただいま、さんほうちゃん!心配かけてゴメンね、」

「が太郎さん、とん平、たまちゃんも!」



ニコニコ笑顔で駆けてきた4人は身体のドコも怪我していない、普段通りの出で立ちでさんほうちゃんに微笑みかけます。

それにさんほうちゃんは安心したのか、フラリと地に伏せてしまいました。



「さんほうちゃん…信じてくれてありがとう。実は執行場に行く途中、洪草さんが勒帋を捕らえようって言ってね。」

「た、たまちゃんっ…?」

「ボクたちは死んだりしないよ。さんほうちゃんと一緒に天竺に行くんだから。」



優しい笑顔でさんほうちゃんに手を差し延べたたまちゃんは後ろで蹲る洪草を見ます。

そして謝る洪草を起き上がらせ大丈夫ですと言うさんほうちゃん。それを見て改めて自分のしてしまったことを後悔した洪草は何も言わずその場から去って行きました。





[*Ret][Nex#]

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