◇
菫を握っているさんほうちゃんは吐息を漏らしながら眼界にもん吉くんの瞳を入れました。奸計に微笑む大きな手に包まれた胸は緊張で早くなる鼓動を彼に教えてしまいます。
どうしてこんな時に胸が高鳴るのか、さんほうちゃんは自分の気を今すぐ止めてしまいたいと思いました。
「お師匠様っ、」
「んっ、」
「お師匠様はオレのこと…嫌いですか?」
へらりとした表情が一変、眉間にシワを寄せながらさんほうちゃんの心に問うもん吉くんの顔付きは真剣そのものでした。
実はもん吉くん。
初対面の時に襲ったことで自分は嫌われているのではないか、天竺に着いたら自分はどうなるのかずっといろいろ心配だったのです。でも、さんほうちゃんはもん吉くんのことが嫌いではありません。寧ろ自分を守ってくれるので(発情時は除く)大切な仲間としてとても敬愛しています。
「嫌いなわけないでしょう?」
「ホッ、ホントっすか!?」
「えぇ、貴方はいつも私の為に頑張ってくれます。ですからとても敬愛していますよ。」
“ケイアイ”の意味が理解出来なくともさんほうちゃんの優しい微笑みを見て嬉しくなったもん吉くんはさんほうちゃんの覗いている肌全てにキスを降らせました。
ちゅっちゅっと暖かい唇の温もりがくすぐったくて身を捩ればもん吉くんの心ごと扇情させてしまいます。そんなことも分からないさんほうちゃんは喉から声を出してもん吉くんに今の率直な気持ちを伝えました。
「早くして下さいっ、」
「えっ?」
「もう…分かるでしょう、」
細かく震えるさんほうちゃんの小さなおちんちんは完璧に上を向いてさらに先のコトを求めていました。少し前、集中的に舐められたあの場所がずきずきと疼いて欲情してしまいます。素直な身体はもっと気持ち良いことを知っているので、自尊心もお構いなしです。
「お師匠様。」
「はいっ、」
「力抜いて下さいね、」
「ッ、ゃああんっ!!」
みちみちと音を立てて一番太い雁首を沈めたもん吉くん。まだ気持ち良いところには届いて居ないはずなのに、さんほうちゃんは身体をビクビク震わせています。
そしてバチュンッと突き入れられたおちんちんは根本まで入り、もん吉くんの陰毛がさんほうちゃんの会陰に当たりました。
「あああっ!!だめですっ、もん吉、もん吉っ!!」
「お、お師匠様の…ナカ、ヤバイっす…すげぇ、すげぇ気持ち良いですっ、ん!ん!ん!」
「やらぁっ、あ!あ!こ、これいじょぉ…これいじょぉぉくぅ…つっ、突いちゃ、あああああっ!!!」
深いところでなくても気持ち良いさんほうちゃんは何度も大きなおちんちんに犯され、激しいスラストに耐えました。たくさんずぼずぼされてさんほうちゃんの小さなおちんちんも固く上を向いて揺れています。
さらに恋人のような熱いキスを交わし、二人は瞳を合わせながら同時に果てていました。
◆
二人が小屋に戻ると先程倒したはずの相手と和気藹々たるムードで話しているが太郎くんを目にしました。その様子に首を傾げたさんほうちゃんともん吉くんでしたが、おいしそうな料理が並んでいたので何も言えず。席についてお腹を満たすことにしました。
「んめぇっ!…ってか猪、生きてたんだなぁっ!」
「もん吉、お下品ですよ。」
「ん、でも何でオレ達を襲ったくせにメシくれんだよ、」
目の前の料理にがっつくもん吉くんを叱るさんほうちゃん。猪の妖魔を天竺への旅供にとが太郎くんが伝えます。彼の名前は“猪八戒”レストランの名前から取ってさんほうちゃんは“とん平”くんと呼ぶこととしました。
とん平くんは妖魔をのけ者にしては殺すあくどい人間が大嫌いで、そんな人間と仲良くしている妖魔の二人を殺して食にしてしまおうと考えていたらしいのです。
とん平くんも妖魔として生きるなかで人に信仰されるような仏になりたい…―そんな大きな夢を持っていたので今回、旅供にすることが決まりました。
「皆さん、ごめんなさい。」
「んっ、そっか。お前もオレらと同じ境遇だったんだな、」
「えぇ、」
「じゃあ仕方ねぇよ。よろしくな、とん平!」
本当は仕方ないと思っていないもん吉くんは建前で手を差し延べ強い握手を交わしました。
そんなもん吉くんの様子を素直すぎて怪しいと想いながら見ていたさんほうちゃんはこのメンバーで大丈夫が一抹の不安を抱えていました。
[*Ret][Nex#]
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