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その言葉以降、何も無かったようにげらげら笑いながらテレビを見ているひぃクンの姿がそこにはあった。気を紛らわしているのか、俺の行いを全て否定するよう堪えずニコニコ笑顔でバラエティー番組を見て笑っていた。

見たかった笑顔がそこにはあるのだが、どうしてか気持ちは全然楽にならない。寧ろ自分の悪行を掻き消されそうな気がして或る笑顔が恐ろしく思えた。



「ひぃクン、」

「ん?」

「無理して笑わなくていいんだよ。どうせここに居ても良いことないんだし。分かったら裸になってコッチにおいで、エッチしよう。」



意地悪なことを言って罪を重ねる俺はおとなしく頷いたひぃクンが服を一枚ずつ脱ぐ様子を見つめる。

小さな身体を締め付けていた白いパンツもシャツも隠さず脱いだひぃクンは恥ずかしがることもなく、生まれたまま美しい姿で立ち尽くしていた。



「そのままコッチにおいで。」

「うんっ、」

「寒い?少し寒いよね?でも大丈夫だよ、また暖かいおちんちんいっぱい突いてあげるからね。」



こんな時ばかり優しくして、自分でも何がしたいのかよく分からない。素直なひぃクンは俺の汚い身体に飛び込むと規則正しい息遣いで何度も深く頭を上下に動かしていた。

この状況から抜け出せないのはひぃクンじゃない。俺自身、弱い俺自身だ。



「んぅうっ!」

「ヒクヒクしてるね…おちんちんが欲しいのかな?」

「やぁあんっ、つきひこぉ、」

「ははは…身体は正直だ。おしっこの感覚が忘れられないんだよね。」



まだ精通していない幼いひぃクンのおちんちんはもちろん勃起しない。だけど膀胱を刺激されることで与えられる、その感覚がきっと気持ち良いのだ。

もっと身体が大人になったらいろんなことをこの身体に試してみたい。この身体…―彼とじゃなきゃ出来ないこと、願っても叶わないことを常々思う。



「もう、俺…―」

「ぅあああああっ!!!」

「ひぃクンじゃなきゃダメなんだ。ひぃクンじゃないと反応しないし、ひぃクンじゃなきゃ愛せないっ…分かって、分かって、ひぃクン…」



ズコッと入った俺のを少しキツいくらいの力で包み込んでくれるぬくもり。

キツくても緩くても彼とだったらどうでもいい。木瀬ヒカルじゃなきゃ身体も心も満たされない。



「愛してる、大好きだ。ひぃクン…ずっとファンでも、キミのこと応援してっ…」

「ああっ、あ、あっ、あ!」

「ごめんっ…、ごめんねっ、本当に、…―ごめんねっ、ひぃクン。」



変わらない現実に目覚めた俺は簡単に彼を手放すことに決めた。きっと最初から分かっていた、手に入らないなんて分かっていた。

身体を繋げても心は手に入らないから。彼の幸せを願うと共に自分の悪行を呪い、一人果てていた。









目覚めたらキミが幸せな世界に戻っているよう、俺は携帯電話を片手に警察へ電話していた。震える右腕を左手で抑えながら、込み上げる哀しい感情を沈める。自首しようと決めてわずか、横たわるひぃクンの頬を撫でながら色の無い世界に帰っていく。



「もしもし、」

『どうされましたか?』

「さくら町11-2、ヨルヒハイツ201号室…今すぐ来てください。」

『はい?』

「木瀬ヒカル君が…居ますから。早く、早く助けてあげてくださいっ…」



泣かないと泣かないと決めたけど、これが最期だと思うと悔しさ、哀しい思いが止まらない。もっと違う形で愛せたら、ファンとしての感情でとどめておけたなら…―俺の未来はもう少し輝いていたのかもしれない。


最後に宛てたファンレターを美しいキミの胸に乗せて、二度と味わうことのない幸せを噛み締めながら俺は姿を消した。





[*Ret][Nex#]

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