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種付けするよう深く突いて何度も何度も最果てにチンポを押し込めて射精する。中に出す度、奥に突く度ゴプゴプと空気を食う音がして暖かいひぃクンに包まれた儚い“幸せ”を感じた。
ぐったり絶えるひぃクンの身体を拭いて中に出した精液を掻き出してあげる。グチョグチョになった穴に優しいキスをして、労るようにキスをして。



「んっ…」



何故か目が熱い。
味わったことは無いが、ピストルで心臓を何百発も撃ち抜かれた感覚だ。

テレビを付ければひぃクン誘拐のニュースばかり流れていて、目の前には意識を失い犯されてぐったりしたひぃクンが居る。

意味が分からない。



『私も一度共演させていただきましたが、ひぃクンは優しくていい子です。ですから何かに騙されて連れていかれてしまったのかもしれません。女性のファンだけでなく男性ファンも多いひぃクンは…―』



どこもかしこも木瀬ヒカルの失踪事件ばかり。二日目で早くも自信喪失した俺は薄い布団で眠るひぃクンの寝顔を瞳に焼き付けるまで見つめていた。



「やさいをたべよぉ…、おいしいおやさいっ…」

「・・・。」

「ほくほくジューシーおやさいっ、んっ…っ、んっ、」



大好きなCMのメロディー。テレビの中で楽しく笑顔で踊るひぃクンの姿。今、ここに居るのは生気を失った哀れなひぃクンの姿。明るいメロディーなのに口吟めば不思議、涙がボロボロ溢れて止まらない。

俺は何がしたかったのだろう?ひぃクンと身体を繋げた後、彼を手放したら俺はどうなってしまうのだろう。そんなくだらない現実を考えたくないのに考えてしまう。



「…愛してるっ、ひぃクン。すごく好きだ。キミに会えて本当に幸せだと、生きていてよかったと…そう、思えたんだ。」

「・・・。」



いくら叫んでも叶わない愛に俺は自分のしてしまった出来事を悔やみ慟哭に溺れた。ひぃクンは俺の問い掛けにも答えないし、ぴくりとも動かない。

朝目覚めたら明るい表情で顔向け出来るかな―…なんて想いながら彼を抱きしめ浅い眠りについた。









大家さんが家賃を取り立てに来たのは朝10時、清掃現場の先輩から電話が来たのは昼12時。全て無視しておいしいご飯を作ろうとスーパーに出掛けていた俺はひぃクンの笑顔が見たいと思っていた。

ハンバーグでも喜んでもらえない。なら、じゃごりこなら喜んでくれるだろうか。自分は性犯罪者で誘拐した悪者だ。それなのに普通に在る幸せが欲しいなんて願っていたんだ。



「ただいま、」

「あっ…つきひこ。」

「どうして逃げないの?」

「えっ、」

「わざと時間作ったのに。家の鍵も開けっ放しで、いつでも逃げれるように。俺がスーパーに行っている間、大家さんに助けてって言えば済んだんだよ、ひぃクン…」



泣きたい感情を必死に抑え、ズキズキと痛む胸を掴む。それなのにこんな俺にニコッと微笑みかけるひぃクンは誰よりも美しく、可憐だった。



「つきひこ…知ってるの。」

「は、?」

「本当はね、名前聞いた時ビックリしたんだ。毎日手紙をいっぱいくれる。社長さんは気持ち悪いって言ってたけどね。ボクはいつか会いたいなって思ってたんだよ。」



書いた覚えのある手紙の内容をぺらぺらと喋りはじめたひぃクンはグローブをもらったこと、野菜スープのCMでファンになったこと、清掃員だってこと。全部覚えていて全て、完璧に話していた。

『俺に会いたいと思っていた』最初聞いた時は耳が捩れたんじゃないかって思ったけど、嘘でも演技でもその言葉は身体を繋げた時より俺を幸せにしてくれた。





[*Ret][Nex#]

あきゅろす。
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