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Sevendays after ep



大きなキャリーバッグを引いてお馴染み、サンフラワーレジデンスの17階にエレベーターで上がる。今日から僕は駅から遠いボロアパートを捨てこの駅前の高級マンションに移り住むことになったんだ。

理由は皆さん、ご存知の通り。壮絶と思われていた幸せな一週間を過ごし終え、僕は晴れて浅井さんとお付き合いすることになった。最初は一緒に住むとかお互い言い出せず…言われるのを待っていたわけではないと言えば嘘になるけど、一昨日浅井さんから直接同居しようと誘われた。それにもちろん僕は大きく頷き、今に至る。



「浅井さーん!」

「お、来たか」

「はい!あの、荷物置いていいですか?」



家具や電化製品は古かったので全部処分を終えていた。だから持って来たのは服と小物のみ。浅井さんの家には何でもあるから、それぐらいで良いと彼からも言われたので本当にそれだけ。

中に入るとちょっとした廊下があり、それはリビングルームとキッチンに繋がっている。そして、リビングに入って右手に廊下があり、そこから左側に寝室と書斎、右側にバスルームとトイレがある作りになっている。
浅井さんの家には一週間居たので部屋は大体把握しているけどね。



「それでだな、桜庭。お前の部屋は奥の書斎を使ってくれ。書斎と言っても大したものじゃないがな。仕事場にしてただけで、モノは全部片付けたから。」

「ありがとうございます!」

「あと、ベッドはだな…俺の寝室にしかないから…その、寝るのは…俺とになる…からな、」

「あ、はいっ…だ、大丈夫です、」



部屋をわざわざ開けてくれた浅井さんに誘導されて6畳ぐらいの部屋を僕は使うことになった。浅井さん曰く、作業などは寝室にあるテーブルやリビングでできると言うのでお言葉に甘えて部屋を使わせてもらうことにした。

でも、ベッドはひとつしかないのでちょっと恥ずかしいけど僕は浅井さんと眠る…らしい。

ちなみに、チャレンジをしたあの日以降浅井さん自身ショックだったのか僕にそういうことをしないし、話もしなくなった。きっと浅井さんはまた異なった意味で自信を無くして居るに違いない。



「あの、浅井さん…」

「どうした?」

「あ、きょ、今日…その、僕、大丈夫です、」

「は?」

「きょ、今日は引っ越した記念に、あ、とりあえずお風呂に入って来ますね」



勇気を振り絞って浅井さんにとりあえず意志だけは伝えて、部屋にかけこむ。今日じゃなくたって別にいつでも僕は大丈夫であると言うことを伝えないとこれじゃ、先に進まないだろう。

浅井さんは僕のことを思ってこうしてくれているのだろう。でも、このままじゃいけないんだ。僕らはもう両思いなんだから、こんなの簡単に出来て当たり前なんだ。



「あ、あの、あ、浅井さん?」

「風呂とかいいから」

「はい?」

「もう我慢できない。こっちに来い、」



キャリーバッグからパジャマと下着を取り出してお風呂場へ行こうとしていた僕の目の前にドンと立って来た浅井さんは腕組みをして僕の行く手を阻む。

本気な顔で腕を引かれた僕は廊下を挟んですぐ隣の寝室に入れられ、白いベッドに体を沈ませる。持っていたパジャマもろとも落としてしまい、シャツを脱ぎながら僕に近づく大きな浅井さんの身体を見て僕は決意を固めた。



[*Ret][Nex#]
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あきゅろす。
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