rust feather 3 Side_Y
下半身から漲る性の滾り。
腰を伝い腹を壊し、終には心臓に食らい付いてはち切れそうな想いと今までの歳月が全て破壊される。そんな不思議な気分のまま時は過ぎた。
叶わない愛の果て。自分の肩に埋まる君の動揺と焦りを感じつつも強く引き寄せ欲望を深く挿した。
『お兄、ちゃん…』
か細い声が背後に聞こえて身体を強張らせる。腹には暖かい彼を抱き抱え、背には冷たく鋭い傷みを与えられる。
母が息子を、実の兄に息子が犯されている悪夢のような光景を見ている。絶望に狂った俺の悪逆を、彼女ははっきり捉えていたに違いない。
「つばさっ、」
「あっ…はあぁっん!」
「つばさっ…愛してるっ、ホントにそれだけ。つばさと幸せになりたいっ…、ただっ…ただそれだけなんだっ、」
それでも今、彼女と話している暇は無い。最後の日にきちんと愛を伝えておかなきゃ、きっと、必ず、絶対に後悔してしまう。
だから引いた身体を動かし当たる場所を変えて太く唸りつづける陰茎の先端で抉り挿す。その度ビクンビクンと身体を震わせるエッチな動きに何度そそられたか、何度陰茎を膨らませたか、数えきれない。
「お兄ちゃん…!お兄ちゃん、お兄ちゃんっ!!!つばさから離れてよっ!汚い、汚いその身体早く離してよっ!!!!」
(いやだ、)
「ねぇっっ!お兄ちゃあぁん!!!!」
心の声は伝えることが出来ないから辛くて痛い。初めから妹も、愛する翼も傷つけるつもりはこれっぽっちも無かったのに。
発狂した美雪は鋭い爪を立てて俺の肩を剥がし、奥深く突き刺さっていたモノをずるりと抜き出した。
「ああ…、な、なによこれ、」
「・・・。」
「いやっ、もう…いみがわからないわ…、」
「・・・。」
勃起したまま姿を現した一物は幸せに包まれて満足したのと見えた最果てを感じてどんどん収縮していた。自分身体であるためその感覚ははっきり分かるはずなのに全く何も感じない。もはや機能していないほどに、冷たく萎びていく。
跪いて小刻みに震える妹をチラリと見送ってズボンを履けばもうここには居られない。
「恭臣、おじさんっ…?」
「・・・、」
「おじさんっ…」
「・・・。」
「やだっ、恭臣おじさんっ!」
退屈な夢の証であるただの屑(クズ)。こんなもので一生を約束出来たとしたら幾人もの人々が幸福になれるだろう。
小さく細い薬指から塵(ゴミ)を払い、落とさないようしっかり手の平に握りしめる。誰から見てもただの塵、でも俺にとってはかけがえのない、唯一持っていた愛の証だった。
つばさとのひと時は幕を閉じ、あっけなく俺が思い描いていた未来は消えた。そしてこれからは長く孤独な人生(ミチ)、終わりの無い哀しみが廻って俺だけに降り注ぐのだろう。
[*Ret][Nex#]
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