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カントリータウンA/Wing



何故ボクがこんな仕打ちを受けているかと言うと、先程乗ったメリーゴーランドで伯父さんが機嫌を悪くしたからです。

白馬から下りるとき、なかなか降りれないボクを見た従業員のお兄さんはボクを抱っこしてくれました。きっとそれだけでも恭臣伯父さんは嫌だったと思うのですが、さらにそのお兄さんに「お父さん」と呼ばれてしまったのです。



「ボク、お父さんのとこ行ける?」

「う、うんっ…お、おじしゃ

「ありがとうございました。コレ…隣に乗ってもレールが違うから…離れちゃうんですね。」



そのお兄さんには見せなかった表情がどんどん曇ってとうとう歯を食いしばり、強引にボクを引っ張る恭臣伯父さんは怒っていました。

それで今、おちんちんをシコシコしてすっきりしたいのかなとボクは考えます。



「なんで…お父さん、って、」

「や、恭臣おじしゃん…」

「くっ、!」

「…あ、」



涙をツゥーと流しながら膝をついた恭臣伯父さんは大人しく白い液体を吐き出して胸を上下に動かしました。ハァハァと息を乱す恭臣伯父さんはしばらくその状態で何か思い詰めています。

ボクへの気持ちはよくわからないけど恭臣伯父さんにとってボクはどんな位置にあるかわからないけど、確実に“特別”であることは手に取るようはっきり分かります。



「つばさ、もう帰ろう。伯父さん、お家に帰ってやらなきゃいけない仕事があるの…思い出したから。」

「うん…」

「いつも振り回してばかりで…変なことばっかりしてゴメンね。…本当に、ゴメン、つばさ。」



頭を下げて上げない恭臣伯父さんは鼻を啜り泣いていたのでボクは近くによって頭をよしよししました。

するとハッと顔を上げボクを見た恭臣伯父さんは強く拳を握りさっきよりより震えまた頭をさげました。









帰りの車では一言も話さず赤信号で止まってもただ前を向いている恭臣伯父さんは軽く貧乏ゆすりをしていました。

本当は仕事なんて無いはずなのに焦る様子の伯父さんは今何を考えているかよくわかりません。



「おじしゃんっ…、ボク…楽しかったよ。ウマさん乗れたし、だから…」

「つばさ、」

「ん?」

「つばさは…つばさにいつか好きな人が出来たら、伯父さんのことなんか忘れちゃうのかな。」



唐突に、未来を心配した恭臣伯父さんは家の近くの公園に車を止めて真剣な眼差しでボクに聞きました。

泣きそうな顔はいつも通りで、でもそんなこと聞かれても分からないボクは首を横に振って伯父さんの不安を消し去ろうとします。



「ボクはおじしゃんをわすれたりしないよ!おじしゃんは家族みたいだし、いっぱいあそんでくれるし、」

「じゃあ、」

「わっ!」

「チュウしてよ。つばさから俺に…チュウしたら忘れないでしょ。」



必死に場の雰囲気を変えようと、伯父さんの気を良くしようとボクはフォローしたのですが、ハンドルを握ったまま顔だけボクに近付いた恭臣伯父さん。

先程いっぱい腫らした病気のおちんちんはまたもっこり浮き出てて明らかにおかしいです。



「あ…、ちゅ、チュウ?」

「・・・。」

「おじしゃん…?」

「ふっ、ははは…、また伯父さん、つばさを困らせちゃったね。ゴメン、冗談だ。チュウってのは好きな人にするものだから。大人になったら…大人なるまで大切にとっておくんだよ。」



突拍子も無いことを言ったり適当にはにかんだりする恭臣伯父さんはそのまま何もなかったようにお家の前まで送ってくれました。

そして玄関から出て来たママに今日はカントリータウンで遊んだ報告をして手を振り帰っていきます。



「お兄ちゃん、ありがとね!」

「ああ、俺も楽しかったから。礼なんかいらないよ。」

「つばさも、ほら…恭臣伯父さんにありがとう言いなさい、」

「あぅっ…、や…やすおみおじしゃんありがと。」



ママに言わされてありがとうをしたボクはまた中途半端にはにかむ恭臣伯父さんを見送ってお部屋に入りました。

何故あんな顔をするのかよくわかりませんが、恭臣伯父さんはまたこれからも。何もなかったようにボクを遊びに誘って悲しげな表情をするのでした。





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