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夜はマーガレットの寮で寝泊まりして朝一早速、ボクは東雲社長の元へ五百雀氏に連れていかれた。金銭的な話しは一切知らないボクだが、きっと社長だし五百雀氏は相当金をもらってるんだろうと思う。

相変わらず適当なことを言う五百雀氏はニコニコ笑顔でボクに手を振り見送ると早急に帰ってしまった。



「失礼します、」

「おはよう。」

「お、おはようございます…東雲社長。」



大きな黒椅子に深く腰をかけ、書類一枚一枚に目を通していた東雲社長はキリッとボクの方を向いて立ち上がる。

ソウやイヲリは居ないのか?気になって辺りを見渡すボクの目の前に来た社長の手には黄色の首輪が握られていた。



「うっ!」

「サキ、今日からキミは正式にボクのペットだ。住み込みは無理でも時間分はきっちり…奉仕してもらうよ。」

「くっ、社長ッ!首輪…嫌だっ、喉が苦しいっ…」



カチンと嵌められた首輪の先にはリードが繋がっていてギュッと引っ張られてボクは地に伏せた。簡単に引き寄せてボクをひれ伏させた東雲社長の股間はもう既に膨張している。

スラックスからもはっきり見れる股間に目を伏せたボクだが、顔面にそれを押し当てられ視界が真っ暗になってしまった。



「ふ!むふふっ!」

「サキ、お前は今までどんな暮らしをしてきたんだ?」

「んっ、しゃちょっ…!」

「僕はよくデキる兄貴といつも比べられて。無様で情けない、ダメなモノとして生きてたんだ。」



唐突に過去を語る東雲社長は反面、グリグリとボクの顔に固い股間を押し当てついにはファスナーを下ろしボロンッと零れた身を取り出してきた。

赤黒く臭い香りに一気に目が覚めたボクは一歩引いて何度も咳込んだ。



「ゴホッ!ゴホッ、」

「…そんなダメなモノが今はどうだろう。兄貴が死んだ今はこうして立派に社長をしている。」

「ッ、」

「サキも。ダメと罵られ生きようと僕みたいになれるかもしれない。だから最後まで諦めずに3ヶ月間、可愛いペットでいなさい。」



ボクを蔑んだ東雲社長はリードを再び引いてボクを転ばせた。手をついた瞬間にいろいろな感情がいっぱい込み上げて目頭が熱くなるのを感じる。

昨日は三河内さんにちょっと優しくされたからって調子に乗っていた。が、ココは地獄だ。逃げたくても時間きっかり逃げられない、ドーフの獄中と同じ…若しくはそれ以上思った。



「じゃあ早速、サキ…」

「は、はいっ…」

「僕にキスしなさい。」



その抜け出せない檻には悲しい瞳を持った男性が一人。東雲社長は寂しい表情でキスするよう命令してきた。

自分は今彼に同情しているのだろうか。まだ情は湧かない。でもいつかはどうだろう?感情を抱いてはいけない契約とズレた社長の行動がよく理解出来ない。



「はぁっ、ちゅっ、くちゅっ、ん、んっ…」

「しゃ、しゃちょぅっ…んんんっむ、」

「ふっ、下手くそは下手くそなりに面白みがあるな。サキ、もう一度今度は自分から舌を絡めてごらんなさい。」



まだ会って2回目だと言うのにたくさん命令をしてくる東雲社長は愛に餓えた可哀相な人だ。

金持ちだからなのか、過去に受けた精神的外傷が原因なのか自分の中に閉じこもって他との交流を遮断する。それでも性欲は満たそうとする身勝手でどうしようもない。



「キスはもういいだろう。次は裸になってみろ。」

「はい、」

「素直になってきたな…物分かりが良くて。」



いろいろ思いつつもボクは反抗出来ないので社長の命令に従って全裸になる。確か「あの時」もこんな感じ、お互い生まれたままの姿で抱き合い激しく重なっていた。でも「あの時」は『黒薔薇』からの愛があった。

不道徳な感情を愛と呼んでいいのか、定かでは無いが過去も未来も忘れてしまいたくてしかたなかった。





[*Ret][Nex#]

あきゅろす。
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