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12月はボクのお誕生日。

伯父さんにもらったクリスマスツリーが飾られた部屋で家族4人、お祝いしました。

パパとママからは5歳のお祝いにおめんライダーの変身ベルトをプレゼントでもらいました。
ケーキもくまさん付きでとっても豪華です。



「つばさ、おめでとう。」

「おめでとう、つばさ。来年は年長さんだね!」

「パパ、ママ、ありがとぉっ!おめんライダーありがとう!」



もらったおめんライダーの変身ベルトを付けてボクは上機嫌、廊下を駆け回り何度も変身しました。

その姿をパパとママは幸せそうに見つめてくれます。
ボクはとっても幸せです。



(こんばんは。お兄ちゃん、どうしたの?)

(美雪、今日はつばさの誕生日だろ?プレゼント、届けに来たよ。)

(まぁ、わざわざありがとう!つばさも喜ぶわ。どうぞあがって、)



時計の8、伯父さんがやってきました。今日は珍しく時計の4に来なかった伯父さん。だから来ないのかと少し安心していた気持ちがありました。

最近はずっと後ろでおしりをすりすりされていましたから、伯父さんの顔もあんまり覚えていません。

そんなボクの期待を裏切り、伯父さんは平然と部屋に入ってきます。



「つばさ、こんばんは。今日はお誕生日おめでとう。つばさの大好きなおめんライダーのブレスレットだよ。」

「お兄ちゃん、ナイスチョイス!ちょうど私達、変身ベルトの方をプレゼントしたのよっ!」

「…そう、それは良かった。実は変身ベルトと悩んだんだ。」



伯父さんは紙袋から箱を取り出して、ボクに変身ブレスレットをプレゼントしてくれました。

ブレスレットに電池を嵌めてピコピコ光る数字を眺め大興奮。ベルトとブレスレットをもらって本物になれた気分です。



「良かったね、つばさ。恭臣お兄さん、わざわざすいません。」

「いえ、このくらい。つばさが喜んでくれて俺も嬉しいです。」

「やすぉみおじしゃん、ありがとぉっ!」



久しぶりに伯父さんがとっても良い人に見えます。
子供だから単純です。

お風呂場でされたムギュムギュもモミモミも記憶に忘れてしまえそうでした。



「じゃあ、俺は帰るね。家族水入らずを壊しちゃうといけないから。」

「お兄ちゃん、本当に気を遣わせちゃってゴメンね。ありがとう!」

「気にしないでくれ、可愛いつばさの為だよ。美雪も、身体無理しないでね。おやすみなさい…」



玄関でママとお腹の赤ちゃんを心配した伯父さんはヨーロッパの時と同じようにすぐ帰ってしまいます。



「ん?いきなりどうしたの、つばさ?」

「つぅ、おじしゃんにばいばいしてくるぅっ!」

「そう、あんまり遠くに行っちゃだめよ?気をつけなさい、」



その時、何を思ったかボクは走って伯父さんの後を追いかけました。

何故あの時、伯父さんを追いかけたのかは分かりません。



「やすぉみおじしゃんっ!」

「・・・、」

「おじしゃん、ぶぇすれっどありがとう。おやすみなさぁい!」



暗くてよく見えない伯父さんを照らすためにボクはブレスレットの数字をピコピコ光らせ手を振りました。

するとジャリジャリと石を踏む音がどんどん大きく聞こえてきます。
そして、いつの間にか伯父さんはボクの目の前に立っていました。



「つばさ?伯父さんはね、思っていることが一つだけあるんだ。」

「ん?なぁに?」

「…つばさと、ずっと一緒に居たい。本当はそう思っているんだ。」




深刻な表情で伯父さんは気持ちをボクに伝えます。

言葉の意味がよく理解出来ないボクの前に伯父さんは膝を付き、顔と顔が同じ高さになりました。

ゆっくり近づいて来る伯父さんの整ったキレイな顔に何も言えず、ちゅっと一回。

優しいキスをされました。



「…お誕生日おめでとう、つばさ。生まれてきてくれてありがとう。」





[*Ret][Nex#]

あきゅろす。
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