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last feather



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uncle side.

結ばれない、報われない。
だけど翼は俺の天使。
かけがえのない、唯一何にも変えられない。生まれた瞬間から大切な心の天使になった。

だけど、生まれた時からこの子の未来は全て決まっていて、その隣に俺が居ることは無いと分かっていた。

美しい瞳に限りない世界をたくさん映して素敵な人生(ミチ)を歩んでほしい。

息子のような存在の彼をただそれだけ、本当に俺は純粋にそう願っていた。




「お名前、言えるかな。」

「さとなかつばさっ、」



久しぶりに会ったつばさはやはり可愛い顔をした男の子に育っていた。

初めて見た時と変わらない凄まじい緊張感で俺に純真な笑みをかけてくる。見るに耐えられないそれは、なんて罪な笑顔なんだと思った。

同時に俺の世界に佇む、美しいつばさは人間の汚い部分を穿りかえそうとした。色慾に塗れ、汚い感情を持った身体にじわりと血が巡った。

そんな汚い肉体を持った俺はつばさの柔らかく、未熟な肉体に触れる事で満たされていた。




「…伯父さんなんか消えちゃえばいいっ、」



強引に身体を合わせた箱根旅行での言葉は俺の心を一瞬で凍りつかせた。

大きく、状況も嫌なことも分かる歳になったつばさが言ったそれは本心だった。

最初から分かっていたのに言われた言葉に俺は酷く傷ついた。その頃の俺は身体に触れるだけじゃ足りないと思っていた。中に入って繋がって欲望を掻き回し、何か強い二人だけの証を残したい。

汚れた俺は何より、つばさが望むなら命なんて惜しくなかった。だから言われた通り飛び出した。

…白い世界へ。
早く忘れて楽になろう。

こんな汚い愛も、汚い身体も、欲が溜まる汚い肉体の象徴も全部、と。


なのにつばさへの想いも、命も欲望も捨て切ることが出来ず臆病にのこのこと生き残ってしまった。
その悔しさに何度慟哭したか、愛したいと思った自分に何度絶望したことか、数えきれない。




「ようやく、漸くつばさと一つになれるんだね、」



初めて繋がった瞬間は肉体に沸き上がる感情をヒステリックに感じて、何度も小さな身体に欲望をたたき付けた。

不思議と強く絡む熱いつばさに止まることの無い、精水。
限界を越えて男同士、腰を突き刺し激しく重なった。

左に光る指輪は愛の証。

この愛と言う名の感情が狂っていようが、死んで罪を問われ地獄に堕ちようがこの証は絶対に失いたくないと思った。
つばさは俺のモノ、他の誰にも渡さない。狂気に満ちた俺の表情(カオ)をつばさはどう見ていたのだろうと思う。




そして美雪に醜態を見せてしまった最後の日。

指輪の因縁から愛しいつばさを解放し、俺は現実の世界と色の無い未来に帰っていった。



『朝比奈君、来年からまた本場フランスへ…今度はワインについていろいろ調べてきて欲しい。』

『分かりました、社長。新商品開発に向けて次はフランスで精進して参ります。』



ちょうどその前、つばさに『逢うのは止そう』と言った頃。俺の海外行きは決まっていた。

やはり全て運命通り。3年間つばさの前から消えて気持ちの整理をした。

つばさが居ない未来なんて意味の無いの世界。だから消えようか、しかしまたどこかで会えたらなんて…

消えることの無い想いは俺の胸を締め付けた。



運命を破り、将来のある子の未来を奪った俺はこれから立ちはだかるいろんな壁を越えて行かなければいけない。

当初、強引に自分の想いばかりを優先していた俺はどこか遠くに消えていた。

独占せず、たくさんの道が残されているつばさに大切な人が出来れば黙って身を引く覚悟も出来ている。

“翼”が本当の自由を手に入れて大きく空へ羽ばたけるように、もう少し。あと少しだけ彼との幸せな時間を味わえることが出来ればいいと願っている。





[*Ret][Nex#]

あきゅろす。
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