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いつもより激しい口づけに伯父さんは涙を流しながらボクの名前を何度も呼んでいました。
たまに漏らす吐息がとっても素敵で身体が震え、狂おしいほど熱い想いが伝わります。これが無いと生きていけないなんて、疾っくに分かっていました。
「つばさ、忘れ物だ。」
「えっ…」
「お揃いの指輪、外しちゃダメじゃないか。こんなことして伯父さんを困らせてっ、」
ガクガク震える声の伯父さんは握りしめた指輪をボクに渡して無理に笑顔を作ります。
でも、瞳からはボロボロ涙が溢れていましたから。指輪が原因でそんなに号泣されるとは思ってもいませんでした。
「こうして…つばさが俺の側から離れたら、俺は一人ぼっちになる。夢が覚めて、夢から覚めてやっと分かった。俺の夢はつばさだ。『つばさの存在自体が伯父さんの夢なんだよ。』」
その瞬間、反転した世界で見えたのは孤独に満ちた伯父さんの姿でした。
眠りながら見る『夢』
将来を願う『夢』
そして、叶うことない幻…果敢無い『夢』
いずれの意味にせよ伯父さんは遠くへ、ボクの手の届かない何処かへ居なくなってしまいそうな気がしました。
「好きだ、つばさ。伯父さんはずっとつばさが大好きだ。」
「おじさんっ…」
「何があっても、ずっと変わらず愛してる。ずっとずっと、つばさだけ見つめてる…」
時を思い返すボクら。
それはまるで最後の儀式。
伯父さんは必死に涙を堪えながら僕のくちびるにキスを落としました。
ボタンを外す仕種も、頬を撫でる仕種も、ボクはありふれた日常として吸収しています。
際限の無い伯父さんの『愛』は当たり前のことです。
ですから、唐突に抱きしめられたり、キスをされたり、おちんちんを掴まれたり、全ては慣れです。
慣れはやがて平凡な日常に溶け込んでいきます。
「んんんっ、おじっ…さん、」
「あぁ、つばさ。どうして…どうして君なんだ。」
「んっ!んっ!んっ!あ、ああ…ひゃんっ!」
早くも濡れそぼつアナに伯父さんの長い指が侵入します。
何度も行き来する伯父さんの指が中でうごめいて、気持ち良いところをグリグリ刺激します。
我慢しているためおちんちんもビンビンと勃ち、ぬるぬるです。
どうやら伯父さんのおちんちんも反応しているみたいです。
「うっ、つばさ…伯父さん、もっい、」
「おじさああっん…」
「んッ、も…我慢出来ないっ!つばさっ!!つばさっ!!」
ギャッと叫んだ伯父さんはギュッとボクを抱えながらおしりにおちんちんを差し込みました。
ぐいっと持ち上げるようにわしづかまれたおしりからジュッポジュッポと見え隠れする伯父さんの勃起したおちんちん。
二人で舌をペロペロしながらキスをして、腰をフリフリ動かして気持ち良くなります。これはボクのありふれた日常です。
…ですから、これが無くなったらなんて。
「…お兄ちゃんっ、」
「・・・。」
「マ、ママッ!?」
繋がった全裸のボクらをはっきり瞳に写したのはママでした。
そう分かって状況を理解しようとするも、伯父さんはボクを引き寄せ、もっと奥におちんちんを挿して来ます。今まで以上にゴリゴリとおちんちんが深く当たるので大声で鳴きます。
「あっ!はぁあッ!!」
「…つばさ、愛してるっ、ホントにそれだけ。つばさと幸せになりたいっ…、ただっ、ただそれだけなんだっ…」
「ん、おじさっ…」
ママの方を気にしない伯父さんはボクを抱きしめて離しません。
はっきり見えるボクの視界は地獄です。
ママが瞳を開けたまま茫然とその場に立ち尽くしています。
自分の肉親同士の肉体が禁忌を越えて繋がってしまっているのですから。
それはそうとしか言えません。
「…お兄ちゃんっ!お兄ちゃんっ!!お兄ちゃんッ!!!!!」
「・・・。」
「つばさから離れてよッ!汚い!汚いその身体早く離してよッ!」
泣き喚くママに引き離された身体の温もりはこれから一生、感じることなく離れました。
約束の指輪からするりと解き放ち、ボクを見もせずに伯父さんはうらぶれた表情(カオ)で服を身につけます。
そしてその場を去って行きます。
「おじさんッ!」
「・・・。」
「やだっ、恭臣おじさんっ!」
これでボクらの退屈な夢はあっさり幕を閉じました。
伯父さんがボクに残したのは狂った心のママと、伯父さんがあれほど強く求めた恋心。
途方に暮れるぐらい長い孤独な人生(ミチ)。
終わりの無い悲しみでした。
[*Ret][Nex#]
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