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艶事ファシネイト




時枝が駆け付けると、汚い路地裏で体格の良い部類に入るはずの鬼形が体に傷をたくさんつけて死体のように転がっていた。


それを怯えた様子で見ていたのはドーフ専用セータだけを着用していた小さな金髪の少年。


肩には商品番号のシールが既に貼られていて、コレが今回のオークション商品であるということがすぐ分かった。




「んうぅっ?」





振り向いた金髪の少年の、不意に向けられた紫色の瞳を見た時枝はあまりの美しさに怖じけづいた。



・・・同時に、一瞬だけ彼に『過ち』を犯している自分の姿が見えたのだ…




冷静になり、その場に一人しか居ない彼に鬼形の事を聞く。




「どうもこんにちは…私、今回貴方の担当させていただきます【時枝欣嗣】と申します・・・いきなりだが、[0-524]・・・鬼形に何した。」


トーンを下げ、わざと威圧感を与えるように時枝は[0-524]に話し掛けた。



だけど、彼は着せられたニットのセーターの袖をもじもじ擦るだけで全く答える様子が見受けられなかった。




イライラした時枝は[0-524]の投げ出された白い足を踏み潰していた。




「いッ、ああ゙ぁッ…!」



「言えよ。このまま踏まれちゃ小さな足がもげて売り物にならないかもしれないだろ?」



「ごめんなちゃいっ、ごめんなちゃい…ゆいます。ゆいますから、やめれくださいっ…」




[0-524]は涙声混じりに謝り、投げ出した足を身に引き寄せ冷たく佇む時枝を見つめた。




「ぼぉ、ぼくはののみや すばぅ。じゅうごしゃ…ぃうぅッ…いたいッ!!!」


人をバカにした舌足らずな喋り方とあどけない笑顔に憤慨した時枝は、正座した野々宮の太股を踵でぐりぐりと圧をかけるように押し潰した。




「そんなこと…俺は興味ねぇんだよ。いいからさっさと認めて復唱しろ、クソガキ。私が鬼形瑛吉さんを殴りました、すいませんでした。はい、」




「ぼぉ、ぼくじゃない・・・」



「じゃあ、お前以外に誰が居るってんだ?ふざけてんのか。大人舐めると痛い目に遭うだけだぜ?」




大声をあげて泣かれたらどうしようという不安は無かった。





それより何より、この白い肌と綺麗な瞳が時枝の肉欲をそそるのだ。


何もかもを沸騰させ熱く、欲望を滾らせる。



鼓動は高鳴るばかり・・・


下に何も服を身につけていない無防備な商品を今すぐに犯したい衝動に駆られた。





時枝は今まで多くの商品を見てきたが、玩具には一度も興味を持ったことがなかった。



それに、オークション用人形は生娘同様扱わなければいけないのが社の決まりだ。






「…俺の家に来なさい。」



「ふぇっ?」



「お前のことを少しでも多く知りたくなった。少しくらい知らないと販売説明出来ないからな。いいだろ?」



「・・・わ、わかりまひた。」





その顔をよく俺に見せてみろ。





あぁ、すごく綺麗な顔をしている…

コイツも快楽に堕ちるのだろうか?

自分の手でイカせてみたいな…



小さな身体をベットに沈め、激しく重なりたい。


デッカイ肉棒ぶち込まれて…
喘ぎ、泣き喚き、悶絶する姿を俺に見せてくれよ。





──それは理性の利かない利用者を汚いと思っていたはずの心が黒く染まった瞬間だった。





「鬼形、起きろ。」




「ってぇえ・・・もっと早く来て下さいよぉ…俺、集団で殴られたんですからねっ!!」




「集団か・・・どうせコイツの出品者だろ?鬼形の話は後で聞くからな。さぁ、ののみや・・・行こうか。」



「えっ…どこ行くんですか?俺も連れて
「ののみや、乗りなさい。」





鬼形を無視してそそくさと車に乗り込んだ時枝と野々宮。


鬼形自身この境遇は初めての体験だった。

あの冷酷な時枝が人形を名で呼び、車に乗せて単独行動を取るなんて・・・




首を傾げながらも鬼形は一人、まだ残る人形の元へ向かった。





[*ret][nex#]

あきゅろす。
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