艶事ファシネイト
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身体の柔らかさと同じくらい野々宮の中は暖かく、一度ハマったら抜けられない凄まじいモノだと時枝は思った。
力を込めてそそり立つペニスを挿入すると、それに必死に答えようとする小さな孔。一思いに彼の身を丸々犯す時枝の欲望はみるみる沸き上がって情を狂わせた。
「ぁッ!あッ!ああッ!」
「ののみゃっ、」
「とと、とちえだしゃんっ、もっともっとしていいよっ…」
時枝の思いを素直に受け入れる野々宮はほんのり顔を染め、前立腺を押し込まれたと同時にキュッと収縮し、その様子を見た時枝も堪らず中から引き抜いて野々宮の膨らんだ腹に吐精した。
風呂場でこの行為をするのは実は初めて。
情事が終わると二人はお互いの身体をタオルで拭き合った。
「おしり、ふきふきしてっ!」
「はい、了解です。スバル君。」
「んふふふっ…とちえださんが“すばぅ”ってよぶのおもしろぉーい!」
笑いながら飛び跳ねる野々宮は途中、辛そうな顔をして時枝の足にしがみついた。
先程の体勢が身体に響いたのか、痛そうに腰を摩り唸っていた。
「野々宮?」
「んうぅっ…おしりいたいよぉーっ、とちえださんんっ、だっこしてぇ…」
「あっ、ああ。」
謝り、小さな身体を抱きしめた時枝は熱い身体を布団に沈ませ何度も腰を摩った。
貞操に対するイデアが時枝はあまり無かったからか。最初に会った時、非道に傷つけてしまった白い身体を見て胸がずたずたに裂かれるよう痛む。
「なぁ、野々宮。」
「んんぅ?」
「これからは“あぁゆうことをする”のは控えよう。」
「な…なんでぇ?」
「俺は野々宮を大切にしたい。野々宮とずっと一緒に居るために、そういうことは控えようと約束したいんだ。」
限界を打破した時枝はいろんな感情と戦いながら結論を伝えた。
野々宮はその言葉に悩みながらも大きく頷き、布団に顔を埋めてニコニコ笑う。
「とちえださんはショウちゃんとちがうんだねっ!」
「は、?」
「ショウちゃん、いつもののとえっちしてたよぉ。あさもよるもひるも、ずっとおしり、ずぽずぽしてたの。」
先程と変わらぬ無垢な眼差しで平然と過去を語る野々宮は時枝の精神的な動揺を感じ取ることが出来なかった。
ガクガクと奮える拳をどこへやるのか。時枝はカッと目を開いてずっと野々宮を見つめていた。
「ショウ、ちゃんっ…?」
「うん。ショウちゃんっ…たかぅらしょぉご、にばんめのぱぱ。」
「二番目、高浦?パパ…?」
時枝はくっきりと浮かび上がる嫌悪感を感じながら野々宮の肩に手を触れた。
この頃は分からない。
野々宮の過去も、自分の未来も。
この一言から自分の思いが歪んでしまうということも。
・・・・・・・・・・・♂
先程の発言が胸に染みた時枝はあまりよく眠ることが出来なかった。
宣伝広告を作成しながらも野々宮が語った真実が何度も木霊し、思考を停止させた。
「とちえださぁーんっ、」
「ん?どうした?」
「おなかすいたぁ、おやつにしよぉよーっ!」
深夜0時過ぎ、パソコンをぼーっと見つめていた時枝に擦り寄る野々宮はお腹を叩きながらお菓子を求めた。
しかし、こんな時間に何でもあげるわけにはいかないと時枝はにっこり笑ってだめだと注意する。すれば野々宮は簡単に分かったと言って再び寝床に戻って行った。
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