星空エビデンス
◇
「次、俺にキスしろ。」
最初からいろいろ間違っている状況をなかなか現実として捉えることが出来ない僕は素直に命令に従った。
死にたくないから、こうするしかない。
陰茎を口に押し込まれ、快楽を教えられ、身体は意外と落ち着いていた。
「んっ…ふぅっ、あっ…」
初めてのキスはキスでもいやらしいキスだった。
少し拓いた唇に男の舌が挿入され、僕の閉じた歯にノックした。
「口、開けろ。」
一度離れた口から命令を受け、僕は口を開いた。
透かさず男の舌が中に匍ってきて、烈しく絡まれた。
くちゅくちゅ響く音と男から受ける熱を感じながら僕は逃げるように舌を動かした。
「っはぁっ…最高だ、小野瀬・・・」
「んっ…はぁっ、はっ…」
だいぶ男の息も上がっているみたいだ。
僕は胸に大きく息を吸い込み、唐突に聞きたいことを聞いた。
「泥棒さん…僕の、ヌヌちゃん・・・盗んだのは貴方でしょ?」
言いなりだった僕だが、このままではいけないと確信に触れてみた。
とりあえず…今はそのことしか考えられない。
「…その通り、アレは俺が盗んだ。アレにはな、小野瀬家の大切なモンが入ってるらしいんだ。だから有り難く頂戴したぜ。」
小野瀬家の大切なモノがヌヌちゃんの中に?
いつも僕は撫でたりむぎゅってしたりしてたけど、そんなもの入ってるようには見受けられなかった。
「返してくださいっ!何でもしますからっ…ヌヌちゃんはお父さんとお母さんからもらった形見なんですっ!!!」
恐さを忘れ僕は男に訴えた。
しかし、男は歎き興奮した僕を見下すように笑うだけ…
「悪いがソレはもう売り飛ばしちまったんだ。俺がお前を抱くため・・・にな。」
強い雨が大地を叩きつけるように、僕は全身地面に縫われたような感覚で男を見つめるだけでいた。
抱くため…
売り飛ばした…?
理解出来ない。
何を言ってるんだ、この変態は。
「小野瀬…」
一つリズムを置いて男が前進し、また烈しく口を荒らされた。
胸も揉まれたり、抓られたり…乳首も舐められたりした。
「ひゃぁん、」
「気持ちいいのか?」
「違うッ…っの、ああっ!」
乳首をくにくにと指で弄られただけなのに…下もむずむずしてきた。
熱が貯まってあの白い液体が出そうな不思議な感覚。
「乳首でチンコ反応してやがる。嬉しいな。」
笑いながら位置を変えた男は、太い指で僕のお尻の穴を弄りはじめた。
そこに指をぐりぐり埋め込んで…汚いと思う。
しかも、かなり痛い。
「いたっ…やめて下さい。汚いっ・・かっ、ねぇっ!」
構わず指を増やして穴に抜き差しを始めた男。
この動きに耐えられず、僕は足をばたつかせた。
排泄に似た感覚はただ羞恥に染まるだけ。
「怪我するから動くな。」
「んっ・・・」
命令と言うか忠告に足を動かして抵抗するのはやめた。
そんなにお尻の穴を触りたいなら触ればいいと半ば諦めた。
でも骨張った泥棒の指がいちいち回りを刺激して正直痛すぎる。
舌を入れて舐めて…
何が出る場所か分かってるのか?
ぐちぐちと音を立てて解され、今すぐティッシュで拭き取りたい違和感がある。
殺されるよりはマシだけど本当悪趣味…理解できない。
涙もボロボロ零れてきた。
「結構熟れてきたな…若いなぁ〜さすがに俺も我慢出来ねぇ。」
ずっと勃ちっぱなしの男の陰茎、それが視界からフェードアウトして僕は息を飲んだ。
これはまさか…
「泥棒さんっ…その・・・もしかしてっ…
「もしかしても何もその通り。これを今からお前のケツん中挿れて犯してやる。でも、入るかなぁ…まっ、頑張れ!キチキチでたまんねぇぞ、コレは。」
授業で習った性。
それにはもちろん男同士のやり方なんて載っていなかった。
セックスというものは僕も知っている。
男女がやるエッチのことだってことぐらい。
女の人を想像して陰茎を触れば、気持ちいいということも友達が言っていた。
それは悪魔で異性間の話だ。
なのに今、僕は男に男の陰茎を差し込まれて性行為を至ろうとしている。
「おかしいっ…こんなの、おかっ…!!!!」
「真尋…」
優しくキスを落とし、生暖かい陰茎を男は穴に宛がった。
「―――――!!」
繋がった瞬間に身体が半分に引き裂かれる激痛。
声にならない叫びをあげ、僕は笑みを浮かべる男を…
客観的に眺めていた。
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