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星空エビデンス




ヌヌちゃんを盗んだのは叔父さんなのではないか?



実は最初から気付いていた。



彼は僕のお父さんの弟で、自分に子供がいなかったからか、僕を息子みたいに思っていると良くしてくれた。


だけど、ヌヌちゃんに対する念はすごかった。


鬼の様な形相、飢えた亡者のようにギラギラ瞳を血走らせ。



僕が逃げて手に入らなかったから、サカキに依頼して自分のものにしたんだと思う。





その中身には何が入っていたのか、何が欲しかったのか、サカキは今何をしているのか。


気になった僕は夏休みに入ったばかりの日、伯母さんにお願いして叔父さんのところまで連れていってもらうことにしたんだ。









――ピンポーン…


約3ヶ月前まで7年間住んでいた大きいお屋敷。

英字でかかれた表札、高級車の数々…





「…真尋クン?」



インターホンから小さなアルト、桃子叔母さんの声がした。




「こんにちは叔母さん、叔父さんに話したいことがあるんだけどいいかな?」



「っ、真寿サンはちょっと・・・お出かけしているわ。一緒に待ちましょ、中に入って…」



いつもの雰囲気ではない怪しい叔母さんの声に僕は疑いを持って家に入った。




入って見ると、3ヶ月前には無かった高級な家具、食器の数々。

かわいい犬も3匹増えていて、さらに高級感溢れる生活をしているみたいだ。






「叔母さん。僕、叔母さんの作ったクッキーが食べたいな。」



「あら、嬉しいわ…真尋クンのために今からおいしいのを作るから、うふふっ」




僕は叔母さんをキッチンに向かわせ、二階に上がり叔父さんの部屋に向かった。


叔母さんは単純だからちょろいとか黒いことは思っていない。




ただ、今すぐ真相を・・・真実を知りたいだけ。









「失礼します…」



7年間居たための癖。

叔父さんの部屋に入る時は必ず一言断りを入れて入室するのが決まりだった。





大切なモノを彼は机の横の引き出し、上から2段目に置くと言っていた。


小さい時に一度だけ見せてもらったことがある。


その当時、中に入っていたのは僕とお父さんお母さんの写真と桃子叔母さんへ書いたラブレター…



大切だからみんなには内緒だよと言われた覚えがある。





僕は息を飲み、ノブを引く。



見てはいけないと分かっているからこそ、緊張して手が震えた。



半分開けて見えたのは前に見たとは違う人への手紙。



『小野瀬真尋様へ』




――――『小野瀬真哉より』




「お父さんっ…!?」





ぎょっとして思わず声をあげた僕の前に立っていたのは優しい目をした叔父さんの姿。



「真尋、こんなところで何をしているのかな?」



にこり口角をあげて直向きに微笑みかけられた僕は金縛りにあったようにその場から動くことが出来なかった。





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