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星空エビデンス




『好きだった』





過ぎ去った思いを打ち明けたサカキの言葉に僕の思考は停止した。




これで結果は良かったはずだ。




アイツは罪を犯した犯罪者だって、何度も僕は言っていた。



だから、これは当たり前の結末で僕は傷つくことないんだ。





「まひろーおはよー!」


「鈴木クン、おはよう。」


「なぁなあっ…今日さ、兄ちゃんの部屋でエロ本見つけちゃってさ〜内緒で見ない?」






サカキは泣いてた。

僕の事、好きだったって過去のことのように言っていた。


哀しいなら無理に別れなきゃよかったんだ。



それに泣いていたということは、まだ僕のこと・・・








「まひろー、聞いてる?」



「あっ…と、うん。」




自意識過剰だな、僕は。

そんなはずないじゃないか。


好きと言われたからと言って僕はサカキの思いを受け入れようと思わなかったし、嬉しくもなかった。

ただ、告白を初めて受けて動揺していたんだ。









「じゃあ、今日は夕方俺の家に集合なっ!」




鈴木クンの話しを全く聞いてなかった僕はなんとなく遊びを了承した。



だけど、脳裏には涙を流していたサカキの顔ばかり浮かんで…

遊びどころじゃないと思った。







…★…★…★…






「うぉっーすげぇ!見ろよマヒロ、この女の子おっぱいデカくね?」


「やべぇやべぇ…鼻血出てきたっ!すずきっ、コレ…オレにくれよっ!」




鈴木クンの家に呼ばれた僕と吉岡クンは三人でエロ本と言うモノを初めて読んでいた。


僕は男子だから、そういうのに興味があって当たり前なのだが…




「この漫画の男、チンコデカくね?」



「本当だーきんめぇっ…」



「・・・。」




丁度、皆で読んでいた漫画の主人公の名前が『サカキバライチロウ』と言う名前で、茶髪の短髪に性格の悪そうな目つき、ムキムキで強靱な肉体…

しかも陰茎がめちゃめちゃデカく、ドコカの誰かさんと酷似したキャラクターだったのだ。








「完全にレイプだよな。」



「サカキバラすげぇー中出ししまくりじゃん。」



「・・・・うわあっ、」




吉岡クンも鈴木クンも意外と詳しいんだな。

僕のわからない言葉ばかり飛び交ってる。



サカキバライチロウ・・・

すっごい顔も似ててなんだかモヤモヤしてきた。





「あれ…怖い顔してる。楽しくねぇのか?」


「確かに…真尋にはちょっと刺激が強かったかな〜」


「そんなことないよ・・・すごいね…サカキバラさん。」




次のページには汗を流して甘い顔をするどアップのサカキバラ。


他に違うのが読みたいな…
ただでさえサカキバラって名前も嫌なのに容姿も似ていてこのストーリーに対しての固定観念が・・・





「うあっ、何コレ…陵辱ネタかと思ったら恋愛じゃんね。」



「女の子の顔やばっ…」




二人のテンションが高くなったページを覗くと、サカキバラの吹き出し…そこには『好きだ』とか『愛してる』など愛の言葉が書かれていた。


たった一枚の漫画のひとコマなのに僕の鼓動はトクッと深く鳴った。




「コレ、2話もあるみたいだな〜」



「鈴木、続編希望ッ!」





僕もこの相手の女の子のように必死にサカキから受ける律動に耐えていたんだと思うと恥ずかしくなってしまって、二人から逃げるようにトイレに向かった。





[*ret][nex#]

あきゅろす。
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