星空エビデンス
◇
ナスはヘタを落として、
カボチャは種とワタを取り皮を削ぎ、
パプリカは縦半分に切って種とヘタを取り、みんなひとくちサイズ。
玉ネギとニンニクはみじん切りで…
味付けしながら炒める。
カレー粉と水を加え、粉っぽさがなくなるまで炒め合わせる。
混ぜてなめらかなルー状態にしてグツグツ…
――ピンポーン
「真尋!開けてー」
「はーい!」
扉を開くと伯母さんとミクちゃんの姿。
ミクちゃんは僕より一歳上の従姉妹。
今日は二人に僕の特製野菜カレーをご馳走するんだ。
「先に手を洗うわね。」
「はい、どうぞっ!!」
その間にいい匂いを発ててカレーがグツグツ…
味見をして甘さ辛さ確認…僕の味覚に合わせてちょっと甘めの野菜カレーの完成だ!
夏はコレに限る!
中1の僕が何で料理が出来るのかと言うのは、前に住んでいた桃子叔母さんにいろんな料理の作り方を教わっていたから。
彼女は料理教室の先生で、僕がおいしい料理を自分で作ってみたいと言ったら簡単ですごく美味しい料理をたくさん教えてくれたんだ。
「まークン、コレ…誰のズボン?」
「へっ?」
振り返るとミクちゃんの手には赤いダボダボのズボンと黒い大きなタンクトップ…
あのサイズはどうみても奴しかいない・・・
アイツ、忘れていきやがって…
「・・・サカキのだよ。」
「んまっ、サカキクンのなの?キャー!服もカッコイイのね…うふふっ」
「サカキ?誰、まークンの友達?」
あんなの友達以下の変態強姦魔だ!
しかも叔母さんの反応おかしくないか?
「…一応、友達かな。」
「ヨルヒ…コウギョウ、あぁ…サカキクンは建築か何かの仕事しているの?」
興味無いし知らないよ…
叔母さん目、キラキラしすぎ。
世間体はイケメンだろうけどアイツは本当にホントに史上最低最悪男なんだよっ!
男なのに男が好きで意地悪で気持ち悪いただの変態で、しまいには僕に"好き"とか簡単に言うアホなんだ。
「サカキとは絶交したんだ。もう家に来ないよ。」
「ええっー!なんでよー伯母さん、今度サカキクンのためにお弁当作るはずだったのにー」
「お母さん、サカキって人好きなの?」
「稀に見るイケメンよ!ミクにもサカキクンみたいな素敵な彼氏ゲットしてほしいわ。」
あげるよ、あげる。
ミクちゃん可愛いし。
…ん、でも嫌だな。
サカキと二人っきりなんて何されるか。
年の差なんか気にしない変態男だ…ミクちゃんが危ない。
「いやっ、伯母さん!冗談でもサカキはダメだ。アイツは超変態なんだよ…」
「変態?いいじゃない…伯母さん、めちゃめちゃにされたいわー」
自重してくれ…伯母さん。
娘もほら、ドン引きだから。
「とりあえず僕の作ったカレー食べて下さい!ミクちゃん、その服は篭の中に戻しといてもらえる?」
伯母さんはすごくサカキがお気に入りのようだ。
あんな奴早く忘れたいのに。
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