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星空エビデンス




「ああー楽しかった!小野瀬はずっと俺の腕掴んで泣いてたな!…可愛かったぜ。」



ビックサンダーマウンテンと言う奇妙な乗り物にサカキと乗った僕。

風は容赦なく顔に当たり、何度も大きく急降下…体力消費で早くて怖くて全然楽しくなんかなかった!



もう二度と絶叫マシーンには乗らない!!







「いやああっ怖い、一流サン助けてぇっってな!」



「そんなこと言ってないです。」



「いや、言ってたね。かわいいかわいい…」




昼食、からかわれながら大きなハンバーガーをがぶり。

サカキは僕の哀れな姿を見るのが大好きらしい…
悪趣味なヤツだ。





確かに怖くて条件反射で腕を掴んでしまったのは事実だ。

だからといってそんなにバカにしなくてもいいと思わない?

不幸な顔を見て喜んであまのじゃくめっ!




「じゃあ、今度はメリーゴーランドでも乗るか?お馬さんとワーイって…写真撮ってやるぜ。」



「僕はそんな子供じゃないです。」




ろくでなし…
一度、この人が居るから平気かもと思ったことを後悔した。



それにメリーゴーランドでお馬さんとワーイ!って完璧にバカにされてるし…






「ほらほら、真尋クン!拗ねちゃやぁよ。こっち向いて笑って!!」



「フンッ!」




僕は他人にあまり笑顔を見せない。

理由は無いけど、いつもニコニコ笑ってるのはバカらしいと思う。

だから写真でも笑わない。
今は余計、笑える気分じゃないから絶対に笑わない。





「小野瀬ッ!あぁ…一人で、おーい!迷子になっちまうぞ!!!!」





僕は一人の方が気が楽だと思い、駆け足でサカキの元を離れた。

近くに居たらまたバカにされる…


みんな忘れているかもしれないけど、コイツは犯罪者です。





「僕は僕で自由に遊びますから。貴方も勝手にすればいいっ!」










…★…★…★…









ビックサンダーマウンテンやスペースマウンテン…スプラッシュマウンテンは怖いので避けながらダンボに乗ったり、メリーゴーランドに乗ったり…


一人なら好きなものに乗れるのでとても充実して遊ぶことができた。




時計を見ると午後8時…
そろそろパレードの時間だろうか、辺りは薄暗くみんな場所取りを始めていた。



僕も混ざって一人、ポップコーンを頬張りながら座って見ることにした。


ちなみに帰りのことは何も考えていない…

一人が落ち着く中学生。

僕は相当捻くれ者かもしれない。







(レディーアーンドジェントルメーン…ボーイズアンドガールズ♪)






おっ、コレはそろそろ来る雰囲気じゃないかな…?




「うああっ、」



「ぁっ…はぁっ…やっと見つけた・・・小野瀬、はぁっ…ちょっと、来い。」




妖精さんがちらりと見えたところで後ろから悪魔の登場…

汗を掻いていて服もびっしょり…熱っぽい荒い声で僕の名を呼び、サカキは僕をパレードで盛り上がっている方向とは反対の方に追いやった。





人気のない暗い道…

壁に追い詰められた僕は両手でサカキを突き飛ばそうとした。





「一流サン、離してっ…」



「ふざけんな!俺がどれだけお前を探したと思ってんだよ。携帯見たか?確実に100回は電話したぜ?」



なんで携帯番号知ってんだよ…と言うツッコミはさておき、この状況は非常にまずいぞ。






「やだっ…痛い、離して…」


「んっ…」





上から覆いかぶさるように火照った体が密着してきた。

サカキの熱い唇が僕の冷たい唇に重なって、何かされるかと少し恐れたけど、重なりは一瞬。

そのあとはゆっくり離れた。








「小野瀬!――だ。俺は――――――――ずっと―――。」




「えっ?」




サカキの言葉はリズミカルなBGMに被って抜け、僕には何も聞こえなかった。





[*ret][nex#]

あきゅろす。
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