星空エビデンス
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大きなアトラクションに綺麗な洋風の建物。妖精さんのダンスに魅力的な音楽…ネズニーランドは広くてTV通りの綺麗さで僕はとても感動した。
犯罪者サカキと一緒なのは不服だが…
今は素直に来れて嬉しい。
「おーい!小野瀬、ブーさん居るから写真撮ろうぜ!!」
車に乗った時から変わらないテンションのサカキは僕に着ぐるみと写真を撮るように手招きしていた。
サカキの隣には黄色い肌に赤い服を着た蜂蜜が大好きな某クマが居る。
急かされて走った僕の前には細身の綺麗な女性が二人。
お目当てはブーさんかな?順番待ちしてるみたいだ。
「あの…写真良いですか?」
「えぇ、いいですよ。」
「いやっ、ブーさんじゃなくて…貴方と撮りたいんですっ!!」
綺麗なお姉さんと一緒に写真を撮ろうと言われているサカキ。
ネズニーランドでブーさんよりもモテモテってどういうことだ?
「あっ…俺?あぁ、っと…いいっすよ。」
「よかったね、クミ!じゃあ行くよ?はいっ、チーズッ!!」
端から見ればネズニーランドへデートしに来た彼氏と彼女…
とてもお似合いだと思いますけど、サカキさん。
「あのっ…この後って・・・」
すごく積極的な女の人だな…
この男の本性知ったらきっとドン引きだぞ?
『僕の家に不法侵入して窃盗。おまけに強姦までした犯罪者なんですよー!』
と言ってやりたい。
「悪いな、俺…コイツと来てんだ。お姉さん方も楽しんでっ!じゃあねっ!!」
「うぉッ!!」
大股で二人の女の人から離れるサカキに手を引かれ、僕はそのスピードに追いつけるよう頑張って走った。
大人と子供の歩幅は違うんだから…
まだ何も乗ってないのに疲れちゃう…
「一流サン…痛いッ、」
「あっ…わっ、悪りぃ…つい、そのっ・・・すまない。」
サカキの様子がおかしいことに気づいた僕は背伸びして顔を覗き込んだ。
「一流サン、女の人にモテモテでしたね…ビックリです。」
「・・・まぁ、な。」
冷たく言い放ったサカキは一瞬凍てついた表情で僕を見つめた。
また逆鱗に触れてしまっただろうか…
「よしっ!気を取り直して…まずはビックサンダーだ!行くぞ小野瀬。」
サカキはモテることが嬉しくないようだ。
良い男(顔だけ)にしか分からない気持ちだね、僕にはよく分からないや。
「…コレ乗るんですか?」
「そんな険しい顔しなくても全然怖くないから。ほら、お前より小さい子も清々しい顔してんぜ?」
サカキの指差す方向には小4くらいの子が5人、ニコニコしながらあの廃墟感あるジェットコースターから降りてきた。
何故好んであんなものに乗るのか…理解できない。
言わずもがな、僕はジェットコースター初体験である。
「いっ…」
「大丈夫だ。何があっても俺が居るから安心しろ。」
僕は差し延べられた手に掴まり列に並んだ。
そんなに大口でもない説得力あるサカキの言葉に不思議と不安は一気に解消された。
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