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「いいよ…ただし交換条件に一週間あげる。一週間のうちに男とセックスしてきなさい。」

「は?」

「三課でいいよ…」

「ちょっ、ちょっと待って下さい!」

「誰にする?百瀬課長?武田?姫宮も居たね…」

「風間さん、本当にごめんなさい!無理です!僕は風間さんが好きなんです!だからっ!」

『浅井…は?』

「…!!!」



分かっていたようにわざと声のトーンを変えて名前を呼ぶ風間さん。その悪魔の名前を聞いただけで言葉を詰まらせた僕の動揺は簡単に風間さんへ伝わった。

僕をいつも虐めて…
自分は気分良さそうにして、仕事もたくさん任せて。
失敗すれば怒鳴って。

僕を虐めることで機嫌をよくして笑顔を見せる。三課の悪魔【浅井 宏紀】(アサイ ヒロノリ)

そんな奴とセックスするなんて…一応、僕は普通の男だ。好きなのは風間さんだけ。他の男の人となんて考えたことも無い。もちろん風間さんとの情事も考えたこと無い。僕は純粋にただ純粋に好きなだけなのだ。



「私が好き?関係無いな。浅井で決定だ。」

「本当にごめんなさい!僕がいけないんです。それは…浅井さんが可哀想です!データを消してください、お願いします!!」

「ふ、桜庭君、これは私のデータだ。はしたない低俗な君に権限は無い。そんなにしてほしいなら一週間だけ奴隷として我慢しなさい。」



ドレイなんて嫌な言葉。今ココに居る冷たい風間さんは偽物だよね?
僕の見ていた風間さんとは別人だよね?



「あぁ…で、早速今日から始めなさい。ノルマを達成できなければ・・・コレを次の会議で流そうか?」

「・・・。」

「大丈夫、浅井はゲイだからちゃんと君を抱いてくれるさ。証拠は写真でも動画でもいいよ。まさに今中に入ってます的なの…とかね、はははっ…」



常識はずれな命令と風間さんの口から聞きたくなかった言葉。

驚き過ぎて声も出ない。
感情もない。



「携帯貸して、連絡取り合いっこしよう。大丈夫だよ、一週間頑張ったら、付き合ってあげる。ね、桜庭君。」



何も言わず携帯電話を取られ、こんな無様な形で風間さんの連絡先を手に入れる。

朦朧とした意識で勝ち誇った笑みを浮かべ去っていく風間さんを僕ははっきり見た。そして会議室の扉は重く閉まり、僕の願いは届かなかった。





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あきゅろす。
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