目が合わせられないのは

「スクアーロ、ちょっといい?」
「あ゛?」
「明日のことなんだけどさ、」



ドン・ボンゴレとの共同の仕事。
それになるとスクアーロはいつも憂鬱になる。



「この子って確か新人さんだから、この辺の地理に慣れてないんじゃないかな」
「あー、まあそうだがアイツなら気にしなくていいぞぉ」


警戒心など全く無く近距離にいるツナから話を切るようにして体を離す。
決してツナが嫌だからとかでは無い、死活問題に係わるからだ。
もうとっくにひしひしと背中に突き刺さるような妬みの目線を感じる。
それがレヴィを除くヴァリアー全員であることが嘆かわしい。

しかしボスはそんなことなど知らないし、いつも真っ直ぐに自分を見てくるスクアーロが妙に眼を泳がせていることも変だなと首を傾げただけだった。

「でも、今回はそんな難しいミッションじゃないし。
最悪俺とスクアーロだけでもいけるとおも」
「!? お前、俺を殺す気かぁ!?」
「へ?」
「絶対それだけは駄、ガッ!!」
「す、スクアーロ!?」

横にいたスクアーロがふわりと宙を舞ったことにギョッとしたツナの背後から、重低音の声が響く。
いつも不機嫌そうな声に磨きがかかっている。
「何言ってやがる。
下っ端より先にトップが率先してどうすんだカスが」

どうも先程の会話が気に喰わなかったようだとはわかったが、その先の行動が理解出来なかったツナは眉を吊り上げる。
「だからって何でスクアーロを殴るんだよ!?」
「カス鮫だからだ」
「理由になってないしスクアーロをそんなふうに言うな馬鹿!」
「んだと・・・」
「う゛お゛おおおいそれで何でこっちを睨むんだぁ!?」

言われたことが不満だったのか、それに何故かザンザスは忌々しそうにスクアーロを睨みつけ、それに殺意を感じたスクアーロが飛び起きる。
しかし直ぐにまた蹴られ、更にはそれに同僚達まで便乗してくる始末。




いつも彼がいるとこうなる。
だからなるべくコイツ等の前では近づかないようにしてるのに。


眼が合わせられないのはそういう理由からなのに、これだったら普通に振舞って同じじゃねーか!











もう面倒臭いとばかりに次からスクアーロは絶対に普通にしようと決めた。













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