この関係に名前を付けるとするならば

「今更だけどさ、お前って味方なの?」
「冗談は程々にしてくださいボンゴレ」

僕がマフィア嫌いなのはご存知でしょうと笑いかけると「似非っぽい笑顔やめれ」と返される。
失礼な。

それに味方とか敵とか。
そんな簡単で単純な言葉で貴方と僕を区別するなんて気に喰わないんですよ。

敢えて名前を付けるとするならば、そうですね・・・



そこまで考え、ふと浮かんだものに骸は思考を中断した。
「――― 馬鹿馬鹿しい」


僕としたことが。


「こんなこと考えるだけ時間の無駄ですね」
「は?」
「そろそろ時間のようです。
次に会った時は貴方が僕に自らその身を捧げてくれることを願いますよ」
「俺はお前に会うこと自体ないよう願ってるよ。
でも今日のことは、…一応お礼言っとく」



聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟かれた言葉に、眼を微かに見張った。
思わず、笑いが零れる。
(・・・・本当に甘い男ですね、貴方は)



別れの言葉を告げ、彼の前から消えるまでその姿を焼き付けるよう、じっと見つめた。










自分のことはよく理解いるつもりだ。
どうせこのままほっておくと、神とそれに焦がれる使徒だとか。そんなくだらないことを口にしそうなのはわかっている。
「・・・・・・・・・・まぁ彼がそんな高尚なものである筈ありませんけど」


もし本当にそんな関係だとしたら、自分は永遠に彼に触れることさえできなくなってしまうではないか。







ぶつくさ言いながら骸は夢の世界へと帰っていく。
実際はその名が彼にはあっていると思いながらも裏腹な発言をして、ジレンマに陥いりながら。







やがて彼は開き直って、公然と恥ずかしいことを言うようになるのだが。

それはまだ大分先の話――









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