一輪の白い彼岸花は







君のようだと、思った。










(・・・・・・・・・おや、珍しい)

それはいつものように、果ての無い。
あるのかもわからない終わりを捜して歩いている時のことだった。

時折眼にする花といえば、あるのはやはりこの華、彼岸花だけだ。


別名―曼珠沙華。

他にも死人花、捨て子花、石蒜、天蓋花、天涯花、幽霊花、かみそりばなと多数の呼び名がある。

土手や田の畦に生え、秋の彼岸のころ高さ約30センチの花茎を伸ばし、長い雄しべ・雌しべをもつ赤い6弁花を数個輪状につける。
花の後、線形の葉が出て越冬する。
それだけの花なのに。


時折、墓場近くに鬱蒼と生える。


有毒植物であるが、鱗茎は外用薬となることを一体どれだけの人が知っているだろう。
毒になることは知っている。
だが薬になるとは知らないというのが殆どではないか。




まあ毒があるという以前に、墓場に密集するという時点で人はそれを嫌うのだろう。
毒々しい程鮮血に似た色をしているのも大いに考えられるか。








あきゅろす。
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