泣いて、笑って、変わって
泣くと、人は成長する。
笑うと、人は優しくなれる。
そうして人は、変わっていく。
・・・でも君はいつだって変わらない。
泣いても笑っても変わらずにいてくれる。
それがとても嬉しいのです。
「どうしたの山本。俺の顔、何か付いてる?」
「ん?ツナは変わんねーなと思ってさ」
「・・・どうせ童顔ですよー」
「そういう意味じゃねーって」
十年経っても君が好きなまま変わらない自分も、結構嫌いじゃない。
・・・・でもちょっとくらい、変わってくれてもいいと思う時もあったりするので。
「あ、嘘。ツナやっぱ顔に付いてる、口の横」
「え、マジ?うわ恥ずかしっ」
「そこじゃねーって、此処なのなー」
「え、何処?」
「んー、此処らへん?」
軽く屈んで、ツナの口元を舐めた。
硬直したツナに噴き出してから、にかっと笑いかけた。
「なーんて、嘘なのな」
「・・・・んなっ!?」
少し距離を縮める作戦に出てみた。
・・・・・・・・・殴られたけど、ま、いっか。
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