汗、涙、愛、そして殴り合い


「はぁ、はぁ、はぁ」
「ふ、は・・・」

息が切れる。
咥内は切れてる。
ついでに頭の何処かも切れているのではという程頭に血が昇っている。

でもそんなことを考えられるってことは、その分理性が残っているって証拠だよななんてぼんやり頭の片隅で考えた。
初めての喧嘩が、まさか殴りあいだなんて思ってなかったし。






「う〜〜・・・、もう山本の馬鹿!!」
「・・・・・・・それはこっちの台詞だって、ツナ」

なんでわかってくれないんだよー!!と、うがーと叫んでとうとう寝転んでしまったのに合わせて自分もしゃがみこむ。
蒼天だった空はいつのまにか色を変え始めていて、どれだけ自分達が言い争い殴りあったかを物語っていた。
(てか、まさかツナ殴るとか。想像したこともなかったのなー・・・)



数刻前のぽかんとしたツナの顔と、硬直した自分の腕。
しまったと後悔した後、震え始めた眼の前の少年は、



『こん、のっ、山本の分からず屋ぁっ!!』



キッと自分を睨んで怒鳴ったと思った時には綺麗な回し蹴りを繰り出していた。

















その後は痛みやら腹立ちやらでよく覚えていないけれども。
でもなんだか、





「あのさ山本、」
「・・・・んー?」

ちょっとぶっきらぼうなツナの声。
それが何だか新鮮で。




「山本には悪いけど、俺今日言いたいこととか全部言ってさ、」
「うん」

拗ねたような、甘えたような。
それが信頼の証のようで。




「なんか、スッキリしたんだよねー・・・」
「・・・・・・・ふーん」







同じ気持ちだったことが嬉しくて、笑いが零れた。





















「てか、俺達何で喧嘩してたんだっけ?」
「・・・そーいや、なんだっけ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこの馬鹿二人、さっさと帰るゾ」





ママンが心配してるから迎えに来たというリボーンに二人は後頭部をべしりと叩かれた。


















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