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「…ねぇ、綱吉」
『えっと一応、大日如来なん、』
「ねえ綱吉」
『(……ま、いっか)はい、何でしょう?』
「暇なんだけど」

言ってしまえば魔王なんて勇者や人間が来なければここから腰をあげるなんて滅多にしません。
するとすれば配下のものに命令するぐらいです。
でもそんなの知らないし、性に合わないこの牛魔王様は不機嫌です。
退屈でつまりません。
もっと咬み殺したいのに。
因みに人間か魔族かなんてちっぽけなことは気にしません。
咬み殺せれば全てOKです。
しかし台本どおりにやってもらわないと困るっていうか咬み殺しオールOKなんて免罪符出せるわけもない大日如来様は困ります。
一応(聞かないだろうけど)、説得を試みます。

『え…、いやまぁそういう役なんで仕方な』
「沢山咬み殺せるって聞いたんだけど?」
『(余計なことを言いやがったのは何処のどいつだ…)気のせいではないでしょ』

「それは僕に嘘をついたってこと?」

適当なことを言ったらしい奴に向かって心の中で仏らしからぬ罵声を浴びせながらもすっ呆けようとしましたが、途端眼の色が変わってきた牛魔王にビビッて大日如来様はマッハでケータイを取り出します。

『あ、もしもしリボーン!?
待って(人/雲雀がい)るから早く来てね!!
・・・・は?やっと愛に気付いたのか?
んなわけわかんない馬鹿なこと言ってないで出来る限り!迅速に来て!!頼むから!!!』

まだ話したそうな三蔵法師には構わずケータイを切ります。

何か熱を感じ、後ろを振り返ると
「・・・へぇ。無視、かい?」
おまけに僕の目の前で赤ん坊にラブコール?いいご身分だねと極悪笑みを浮かべる牛魔王様がいらっしゃいました。
大日如来様は悲鳴を飲み込みます。
叫んだって喜ばせるだけです。

『デリバリー!
(生け贄の)デリバリー頼んだだけですからっ!!』
「・・・・・・」
『活きが良いというかしぶといくらいですから雲雀さんもきっと気に入りますよ!!』

何も知らない三蔵一行を容易く売り飛ばし必死に言う大日如来様に牛魔王は信じてなさそうに目を細めます。
「ふうん」
『本当ですよ!信じて下さい雲雀さーん!!』










その後大日如来様はベテランの訪問セール顔負けの熱心さで、三蔵一行がどれくらい咬み応えがあるのかを説明しましたとさ。












Continua a prossima volta...



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