黒
熱が足りない
寒い
そう思っていたのも退屈だったのも遠い昔だったように感じるようになったのはお前の所為だ
そう言いたくなるのを 今日も堪えた
またね〜とボスらしからぬ笑顔に見送られ扉を閉める。
(ったく、不快な野郎だ)
何を考えているのかがあまり読めない。
だが当分会うこともないだろうと、行こうと促す前にさっさと先に行っていたツナに眉を顰める。
一寸前とは違い、無言で歩き始めていたツナに追いつきリボーンは訝しそうに声をかけた。
「おい?」
「・・・・・・・・・・・・」
何やら怒っているらしい。それはわかった。
珍しいことだと思った途端立ち止まり、ツナはグイとリボーンのネクタイを強引に引っ張った。
きゅっとネクタイが締められ、流石に苦しくなって不快を表す。
「てめぇ、何がしたいんだ」
「リボーン」
離せという声に全く構わず、ツナはリボーンを見据える。
その有無を言わせぬ琥珀には何も言えなくなるリボーンは、自分に閉口しながらも答える。
「・・・あんだよ」
「ああいう勝手なことは、二度とするな」
鋭い、刺すような声音。
吐息を感じる程の距離にある元生徒の顔をしげしげと眺めた後、リボーンは笑みを零した。
「何だ、気付いてたのか」
「当たり前だ。ふざけるのもいい加減にしろ」
ぱっとネクタイを離し、またずんずか歩き始めたツナにリボーンは満足そうに笑いながら後を追う。
「流石、俺の生徒だな」
「茶化すな」
「わかってたんだったらよく出来た褒美にキスの一つでもやってやれば良かったな」
お前も随分と積極的になったなと言う、ネクタイを離す前のことをニヤニヤと指摘するリボーンに、ツナは一時足を止め、振り返る。
「違うだろう?」
「あ?」
「して欲しかったのはお前の方だろう?」
冷えた相貌で言い放ち、先に行ったドン・ボンゴレに、
「・・・・・・・・・・クソ、生意気言うようになりやがって」
図星を指された元家庭教師は、体温を下げる為に暫し上着を脱いだ。
(これ以上熱に浮かされるのは御免だ)
未だに続く十年前からの火照りは、決して取れないことがわかっているから
今は顔の熱だけでも消し去ってしまいたかった
<fine>
アンケートで書いた仲良しこよしを書いててついでに書いたものですv
白ツナ好きだvvv
でもリボさんも負けてないみたいですね(笑)
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