NABE☆PARTY

「鍋するぞ」
「・・・・・・・・・・・・」








桜も散り、半袖の人まで出てきた今日この頃に季節外れもいいとこ発言をされた。
勿論そんなことを言うのは今も昔も変わらずコイツだけだ。

また何か禄でもないこと思いついたのかとツナは盛大に今の気持ちを顔に示した。
すると問題の男は照れたようにする。

「なんだ、そんな嬉しそうな顔すんな」
「何処をどう見たらそう判断できんの!?」


俺今クロームが骸に変わった瞬間みたいな顔してたよね!?

さりげに酷い突っ込みをする大空十代目。



「でももう招待状出しちまったしな」
「招待状って、」

たかが鍋で大袈裟な。
まあいつものメンバーが来るのだろうと思って(言ったってどうせこいつ聞かないし)その時は諦めて書類との格闘を再開した。
















だがツナは甘くみていた。

この元家庭教師の常識というものを。






































【 NABE☆PARTY 】







































「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」








何故、いつもは静かな本低がこんなに騒がしく熱気に溢れているのか。

何故、たかが鍋でこんなに眼がギラギラしているのか。

ていうか何この大人数。




(誰か教えてくれ)















茫然としているドン・ボンゴレの横では元家庭教師が「あー、あ−、マイクテスト。マイクテスト」などと言っている。
何処の司会者だ。



自慢の声がよく通ることを確認し、満足そうにリボーンは会場にいる者達を眺めやる。


「あー、今日は待ちに待ったNABE☆PARTYな訳だが。
まずは気合入れから始める」

だからどんな鍋パーティー!?
待ち侘びる程の料理か!?

(いやいやでも材料とかが凄く豪華なのかもしれないし)

落ち着く為に深呼吸をする。
昔からの癖で突っ込みたくなるが、我慢だ。
これも日頃から頑張っている部下達を労わるものなのかもしれないし。
自分は静かに見守





「お前等ぁ、ツナが欲しいかぁーーーーーーーーーーっ!?」
「ちょっと待て其処のもみあげーーーーーーーーーー!!!」





おおおおおおおおおおお!!!!
という地響きが起こる野太い怒号にも負けず叫んだツナにリボーンは盛り下がるだろ空気読めよという視線を向けてくる。
うわ、ムカつくこいつっ!

「ただの気合入れだ、気にすんな」
「どんな気合(?)入れだよ!!
何で鍋なのに俺が関係あんだよ、ノリ的に競技でも始めるみたいじゃん!」
「そうだけど?」
何で俺が訝しげに見られてんの!?
そんなのやるって一言も言ってないじゃねえか!

鍋ってあれだよな、家族とかで炬燵に入って「肉ばっかじゃなくて野菜も食べるんだぞー」とかいってはふはふしながら食べる一家団欒を絵に描いたようなのだよな?
ちょっと違う気がするけども、とにかくこんなものでは無い筈だ。

「大体鍋パーティとかいいながら鍋も食材も何も用意されてないよな」
後から運ばれてくると思っていたが、運ばれてというか雪崩れ込んでくるのはむさ苦しい怖い面の野郎ばかりだ。
「ああ、鍋は景品だからな」
「景品って・・・・」

・・・鍋が?
皆いいのそれで?

仮にも裏社会を牛耳ってる(らしい)ボンゴレが主催して用意したのに凄い庶民な代物だ。
まあ実物を見てないから何もいえないけど。
此処まで人が集まって来る位だ。
余程のものなんだろう。

物欲に乏しいツナも少々興味が沸いてくる。

「つまりこれは鍋を景品とした何かの競技をやるパーティってことか?」
「まあ粗方そんな感じだ」
「(なんだよ粗方って)じゃあ俺も参加出来るの?」
「お前は主催者だから駄目だ」
「何にも知らされずに何にも手配してないのに俺が主催者なんだへー?」

何かあったら責任だけはとれって?

その通りとばかりにバチコーンとウィンクしてきた仮補佐に青筋が浮びそうになる。
嬉しくねえよ。
誰だコイツをこんな性格に育てたのは。


これ以上この理不尽な男を見ていたら血管が切れそうだったので憤慨しながらも会場を見渡す。
本当に何人いるのか。
ファミリーの殆どがいるらしい。
イタリア人が殆どだから日本料理(と言っていいのか知らないが)の鍋が珍しいのだろうか。



(でもこの人達もいるしな・・・)

当然という顔をして座っている見知った者達を見やる。
しかも最前列なんですけど。
ちゃんと仕事終わらせてくれて参加してんだよな?
ちょっと怖い。
特に獄寺君。

「十代目ー!」
「ツナ〜!」
「おお!沢田!」

いや、手とか振られても。

雲雀さんと骸がいないのにはほっとした。
あの人達はこういうのに参加したりしないからな。
大体雲雀さんがいたら会場にいるの人達全滅だし。

犇めきあっている強面のスーツ男達を群れてませんなんて言い訳できない。



「守護者の3人にはもう何も言わないけど、何でヴァリアーとかミルフィオーレとかトマゾとかキャッバレーノの皆までいるの?」

ファミリー違うじゃんと呆れてもそれを気にするものなど此処にはいない。

「ウチはねぇ、景品のお鍋があんまり美味しそうだったからボスが我慢でぶふぉっ!!」
「・・・・・・黙れ、カス」
「ニシシ、まあそういうわけ」

「・・・・・・・」

ベルは笑ってるだけだし、マーモンはダフ屋みたいなことしてるし(ここで商売やるな)、スクアーロは疲れた顔をして視線をちらっと送っただけだった。
気の毒なルッスーリアを誰も心配しない。
仕方なく既に配置についていた医療班を呼ぶ。
だからなんでただの鍋競技(?)なのにそんなものが完備されてるのかはもう面倒だから突っ込まない。

シャマルじゃないからきっとちゃんとみてくれるだろう。
ていうかスクアーロは嫌なら帰ればいいのに。



「俺はNABEっていうよりそれの付属品が欲しくて来ちゃった」
大体NABEってよくわかんないしーと笑う百蘭の隣では正一が腹を抱えて蒼褪めている。
きっと業務が押しているのに来た上司のお陰だろう。
とても鍋を食べにきている者の顔色じゃない。
こんなとこ来る前に病院に行ったほうがいいんじゃないだろうか。



「なんかパーティやるっていうから来ちゃった!」
「ツナー、俺お前の為に頑張るからな!」
えへへと笑うロンシャンとその隣でディーノがにこやかに手を振っている。

(・・・・・・・・?)
鍋に加えて付属の景品も付いているらしい。
ディーノさんはそれを俺にくれるつもりなんだろうか。





「ったくどいつもコイツも・・・」

苛々としたような声に振り返ると不快度がマックスという顔のコロネロがいた。
驚いた。
「コロネロもコレに参加するの?」

まだどういう競技内容だかは知らないがこういうのはくだらないとか言っていっつも参加しないのに。
不思議そうな顔をすると逆に訝しそうな顔をされた。

「景品が景品だからだろうが」
「?鍋じゃん」

そんな好きだったっけというと付属の方に決まってるだろと睨まれた。
な、なんで怒ってるんだろう。

「コロネロ、付属の方の景品内容知ってるの?」
「!? お前知らないのか!?」
「え?」

どうりでおかしいと思ったぜコラァ!と悪鬼の顔になった指導教官に嫌な予感がしてくる。

恐る恐る尋ねる。

「あの、その内容って、」
コロネロがくわっと吼えると同時に起こった歓声により聞き取れない。
「えぇ!何?聞こえないんだけど!?」
「だから!」

ツナに届かなかったコロネロの声に代わり、
ご機嫌な仮補佐の無駄に良い声がエコーで響いた。







































「それじゃあ第一回っ、

『ドキッ!沢田綱吉と湯煙ハネムーン(仮)チケットは誰の手に!?』

大会を開催するぞ!!」

「おいいいいいいいいいいいいいいいい其処のデコっぱち垂れ眉教師ぃっ!!!」

最初と名前変わってんじゃねえか第一回ってなんだハネムーンてなんだチケットってなんだ鍋は何処いったーーーーーーーーーーーーー!!!?






ツナの怒りの絶叫はいとも簡単に再び沸いた歓声というか怒号にかき消された。




























彼の行く末がどうなったのかは神のみぞ知る。
































<fine...?>










































うん、最後鍋全然関係ないじゃねーかコノヤローですが凄い楽しかったです☆
どのサイトさんもこういうのやってると思いますがまあご愛嬌ということでv(お前がやっても可愛くないから却下)



競技内容とか勝負の行方はご想像にお任せします(笑)



あきゅろす。
無料HPエムペ!