勢いで了承してしまったボスと裏腹な心を誤魔化す剣士

「綱吉・・・」
駄目か?と真剣に見つめられ、骸などであれば無言で凍らせていただろうことを言ったスクアーロを前に、ツナはダラダラと汗をかいていた。
























【 勢いで了承してしまったボスと裏腹な心を誤魔化す剣士(仮) 】



























スクアーロは真面目だ。

まともだしボンゴレの中でもツナの癒される数少ない存在の一人だったりもする。



日々、直属上司のバイオレンスな命令にも文句を言いながらも耐え、
言うことを聞かない自由奔放で否協力的な同僚達を何とか誘導しては、仕事の遣り過ぎを最低限に押さえてくれているヴァリアー唯一の良心。


ボンゴレ最後の砦。


ひっそりとそう呼んでいるとは本人は知らないだろうが、実際それ位スクアーロには救われていた。

だからツナは度々頼っていたし、何かと相談に乗って貰っていた。
お礼にといってランチに誘うことも多かった。

それにより横暴な上司の風当たりが強くなることをわかっていながらも、ツナの気分転換に付き合ってもくれたスクアーロは本当に優しい。
(ツナは全くそれを知らなかった為後でザンザスはしっかりと諌めておいた)




だから滅多に相談も頼みごともしないスクアーロの言うことだから、二つ返事で承諾してあげたかった。

でも。
(これは、流石に・・・ッ!)







「無理なら無理でいいぞぉ?」

初めから断わられる覚悟はしているから平気だと淡々と言うスクアーロの瞳は何処か遠い。
きっと手ぶらで帰った時の、ザンザスの報復をどうやって少なくしようかとでも考えているんだろう。

あうあうと口を開け閉めし、半泣きしそうなツナの顔を見て、スクアーロは何て顔してんだぁと苦笑した。
「本当にいいんだ。
お前に無理強いはさせたくねぇ」

ただ一応仕事だから、伝えることだけはしなくてはいけなかった。
悩ませて悪かったと言い、ツナの頭を軽く一撫でしたスクアーロは、邪魔したなと背を向ける。


何事もなく出て行こうとするスクアーロに、ツナは思わず立ち上がって叫んでいた。


「わかった!やる!俺に任せてスクアーロ!!」


ツナの大声に、振り返ったスクアーロは。
眼を驚きに見開き、暫く後にぎこちなく笑って礼を言った。














静かにドアを閉じ、スクアーロは直ぐに歩き始める。
そうと決まったなら早く上司と同僚に伝えなければならない。
どうせこれは無理だと思って今頃別の無謀な作戦でも考えているだろうから。

折角ツナが苦渋の決断してくれたというのに、無駄にするわけにはいかない。
急がねばならなかった。



しかしそうとわかっているのに歩みは遅くなり、邸外に出る頃にはすっかり止まっていた。
「??」

わけがわからず、行こうと足を動かすのだが、一、二歩進むだけでそれ以上はいうことを聞いてくれない。
暫く足掻いてみたが、体力を消耗するだけだとわかり、スクアーロは諦めたように地べたにどっかりと座り込んだ。
「なんなんだぁ、一体・・・」

考えを少し巡らすと、答えは直ぐに出た。
どうやら、自分はザンザス達にツナが承諾したことを伝えるのが嫌らしいのだ。

でもそれしかわからなかった。




(・・・・何で。喜ばねーんだぁ?)
ツナのお陰で、折角ザンザスに殴られることも生意気な後輩に笑われることもなくなるというのに。
何故か、執務室を訪れる前よりも気が重い。



胸に、何かが痞えたような最悪な気分だった。
















一方、スクアーロが出て行った執務室では、思わず口にしてしまったことを激しく後悔したツナが、机に突っ伏した情けない悲鳴を上げていた。
「何でオッケーしちゃったんだ俺の馬鹿!!」


いくら仕事でスクアーロの頼みだからって、何で・・・!












「何でザンザスのパートナー役だなんてやんなくちゃいけないんだーーーーーー!!!」












<...fine?>

































以前MEMOで書いたものですが、そのうち続きを書けたらないいなぁ(殴

2009.1.21


あきゅろす。
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