誰だって秘密がある

「スカルってさあ、なんでそれつけてるの〜?」




「・・・・・・・・・ッ!」
いつか聞かれるとは思っていたし、覚悟もしていた。
でも、こればっかりは・・・・ッ!


「ねえー?」
「う、うるさい!こっちを見、ゲフォッ!?」

「「見られたくねーんならてめえが消えうせろこのパシリが」」

「す、スカルーーーーー!?」




























【 誰だって秘密がある 】






























「ご、ごめんね、寝ぼけてよく覚えてないんだけど、
多分俺なんか聞いちゃいけないようなこと言ったんだよね!ほんっとごめん!」
「・・・・・・・・・・・いい。徹夜明けのボンゴレに奇襲をかけた俺が悪い」

奇襲するべき敵のボスになんだか変なことを言ったことにも気付かないらしく、何処か落ち着かなさげにそわそわとしながらスカルがぶっきら棒に答えた。
「またスカルはそんな、優しいからって。
あいつ等ほっといたら直ぐ調子乗るんだからさ、偶には嫌だっていってやらないと」
「・・・・・・・・・・・」

いいたいけども言えないだけだとは格好悪くて言えずにスカルは黙った。



襲撃をした敵を襲撃された側のボス自ら手当てをするこの奇忌な光景。
誰も何も言うものはいない。
まあいつもの日常の一光景だからでもあるのだが、今此処には誰もいないからというのが一番の理由だった。












『もう!俺が悪いのになんでスカルを虐めるんだよ!』
『コイツがツナに怒鳴るのが悪いぜコラ』
『大体奇襲かけてきた癖にちゃんと仕事しねーでツナの寝顔を独占してた奴なんて、・・・死ぬしかねーだろ?』
『いやだからどんな理由!?』
襲撃をちゃんとされた方が困るよね!?

極当たり前のように言われたことに突っ込んだ後、ツナはびしりと扉を指し示した。
この二人がいたらいつまでたってもスカルの手当てが進まない。

『手当ての邪魔だからお前等、出てけ!』
『ツナ!?』
『まさか、お前、』
『なんだよ?』
『『そこのパシリにもう手篭めにさ』』

『さっさと出てけこの脳内ピンク共ーーーーーーーーー!!!!』













お馬鹿な二人を放り出したのは少し前で、守護者達が何かを察知してやってくる前にとツナはせっせと包帯を巻く。
世辞にも上手くないが、流石に医療班に連れて行くわけにもいかないので我慢してもらうことにする。
「応急処置はすんだけど、やっぱりほっておくと危ないからちゃんとカルカッサで診てもらってね」
「手間をかけたな」
「次は事前に連絡頂戴ね、来るっていってくれたら平気だから」
「・・・・・・・・・・・・・・わかった」

襲撃するのに事前に報告する敵が何処にいる。

そう突っ込みたかったが、敵のボスに手ずから手当てしてもらっている自分が言う台詞じゃないなとようやく平常に戻ってきたスカルは頷いた。














「じゃあ、次こそは覚悟してろよボンゴレ」
「うん、楽しみに待ってるねー」
可笑しな返答をしてツナはへらりと笑って手を振る。

来た時と同じように窓から帰ろうとしたスカルは、そこでふと動きを止めた。
「・・・・・・・・・ボンゴレも。やはりこれが気になるか?」
「え?」
「いや、なんでもない」






(馬鹿か、俺は・・・・・・)
明かす覚悟も無い癖に聞こうとするなんて。






頭を振り、窓に足をかけたところで呼び止められる。
振り返ることはせずに声を出す。
「なんだ」
「気になるよ」

はっきりと告げられたことに室内の空気が重くなる。
それをわかっているだろうに、ツナは気にせず続けた。
「でも、もう見たいとかは言わない」

誰だって言いたくない秘密の一つや二つはある。
それは大中小と様々だろうけど、傷を広げてまで見せて貰おうなんて思わない。
ましてや、大切な相手なら尚更。

「勿論俺にだって、スカル達には言えないようなことあるしね」
「・・・・・・ボンゴレにも、あるのか?」
「そりゃあね」
「お前に悩みがあったのか」
「酷っ!お前俺を何だと、」
「俺にも言えないようなことか?」

敵になら余計に言えないと分かっている癖に聞いたのは何故だったのか。
それに気付く前に、暫し沈黙していたツナは答えた。

「うん。言えない」
「・・・・・・・・・・っ」

思ったよりも胸に来た言葉に、そうかの一言も出てこない。
もう馬鹿なことを聞かずに帰ればいいのに、体に力が篭っただけで足も動かない。

ボンゴレに隠し事をされていると、はっきり言われたことに自分は傷付いている。
その理由を理解するのにどれだけ時間がかかっているのか。

「言っておくけど、カルカッサの軍師とかそういう肩書きとか関係ないからね?」
沈黙したスカルに、初めて会った当初よりは落ち着いた声でツナは言う。
些か呆れているようにも聞こえる。

「・・・・・・・・じゃあ、」
「スカルだから」
「は?」
「スカルだから、言えない」
それだけだよと、悪戯っぽく笑っているんだろう声音に。

スカルは思わず口を開いた。







「・・・・・・・・・・いつか、」
「ん?」
「いつか俺に覚悟ができたら、取る」
「?」
一瞬何のことかわからなかったが、スカルがかぶっているものを言っているのだと気付いたツナは慌てる。
そういうつもりじゃなかった。

「そんな無理しなくてもい、」
「だから・・・ッ」





だからその時は












「お前の秘密を、俺に教えてくれ」











くぐもっていてもわかる美声で告げ、眼を瞬いた次の時には姿を消していた敵の軍師に。

驚いた顔をしていたドン・ボンゴレは、やがてゆっくりと微笑んだ。







「・・・うん、わかった」









































そしたら、お前が好きだって ちゃんと伝えるから
















<...fine?>

































好きな人のことは何でも知りたい。
隠し事をされるのは嫌だ。


自分は違うのにそう思ってしまって我慢できなかった青年のお話(笑)







最初は二人きりになって邪魔が入る直前にアクシデントが・・・・ッ!的なベタなものを考えていたのに

しかも珍しくツナが相手を好きだときたもんだ(!)

・・・やはりスカツナは見る専門のがいーかもしれない。。。
自分が書くとその乏しさに泣けてくる_| ̄|○

他のも似たようなのだけれども(殴






にしてもスカルのメット被ってる理由がくだらないのだったらこの話は成立しないことに気付いた(笑)


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