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「・・・・・・どういうこと?」
わいわいと賑わうレストランと目の前にし、ツナは茫然とトランクを持ったまま立ち尽くした。







































【 本日開店1 】







































「いらっしゃいませ」
いらっしゃいませじゃねえ、あんた誰だ。

そう問い詰めたいのを我慢して、ツナは相手を観察した。
綺麗な顔立ちをしているようだ。
言葉遣いもまあまあ。
立ち振る舞いは見本にしたい位。
客の対応も丁寧。

でも何でこの男は 

「あの・・・?お客様?」
「あ、すいません」
不躾に眺めていたことを詫びる。
きっと不快に思ったんだろう、顔が赤くなっていた。

感情を抑えながらだが少し尊大な口調になる。
「此処で一番偉い人呼んでもらえますか」
「一番偉そうな奴、ですか?」
「偉そうって・・・、いやまあそうだけど偉い人、オーナーと呼ばれてる人を呼んで欲しいんです」
「先p、じゃなくてオーナーですね」
「ええ、少し重要なお話があるんで」
「では、こちらでお待ち下さい」
そう言って、サングラスをかけた青年は立ち去った。
接客舐めてんのかとは思ったが何故かパフェを出されたので黙った。


「お待たせしました」
「うわ・・・」
暫くして現れた黒髪の男にツナは半眼になった。
また美男子かよ。
なんだここは。ホストクラブの間違いじゃないの?

パフェをまだ口に運びながらツナは内心で毒づく。

「あんたが?ここの一応一番偉い人?」
「はい、私が此処の店長ですが。何か」

額に青筋が浮かぶ。
男が怪訝そうな顔するのを見たのが限界だった。

「何か、だとーーーーーーー!!!!」

どこからそんな力がというほどの力で殴ったテーブルからグラスが落ちる。
スプーンは曲がった。
ざわめいていた店内が静まった。

いつもはそういう周りの機微をきにしたりするのだが、そんな余裕はなかった。



「此処は!俺の家だぞ!!」

怒りに震えながら身長の高い青年を睨み上げる。
腹の立つことに相手はビビりもしないで俺を見下ろしている。
「見下ろすな!」
「無理言うな」
自分でも無理を言っていると思ったが、男に言われると更に頭に血が昇っただけだった。










































「変だな・・・」

久しぶりに懐かしい故郷に帰ってきてみたら実家があった場所には何故か人の行列が出来ていた。




まあ別に本当はできたって可笑しくはない。
家は店を経営しているのだから。

でも行列ができるほどなんかじゃなかった。
少なくても俺が家を出たときは店内では閑古鳥が鳴いていて親父は店の二階で腹を出して寝ていた。
せめて店には顔を出せといって蹴っ飛ばしたのが親父との最後の会話(?)だった。




今までこんなことはなかったから怪訝な顔をしながらも店に近づいてみればすっかり様子の変わった建物があった。

しかも


「なんで親父の店に何で見ず知らずの奴がいるんだ!」
しかもこ洒落た店とかやってるし!?

ふざけんな!!

そう思うのは不孝ものとはいえ息子として当然じゃないだろうか。




ツナがぎゃんぎゃん叫んでいる間、繁々とツナを見下ろしていた男は、もしかしてと前置きしてから言った。

「・・・お前が家光の息子か?」
「大体なぁ!  て、父さんのこと知ってんの?」


父の名前が出てきて勢いが少し落ちる。
知り合いなのか?



「知ってるも何も」
男は迷惑そうな顔をしながら なあ、と後ろで様子を見守っていた店員達を振り返る。
いつの間にかいたのかコックらしき金髪の男がコックリと頷いた。

「あいつは俺たちに此処を押し付けて出てったんだぞコラ」
















埋まりたくなった。














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