親友

「よう!ツナ無事だったか?」
「あー・・・ やまもとー・・・」

お早うと死んだ魚のようなクマの出来た顔に山本は爆笑した。

































【 親友 】


































「はは!やっぱ昨日大変だったみたいなのなー」
「笑い事じゃないんだけど・・・」
ちょっと、屈託なく笑う山本が恨めしくなる。
でもこういうあっけらかんとしたところがこの親友の良いところで好きな所だったので、
次第につられて苦笑する。

「今日あいつは?」
「ああ骸?
勿論置いてきた。家全壊させたんだから当然だよ」
元に戻すまで俺の半径50M以内に近付くの禁止と言ってきた。
今頃必死にどうにかしてるとこだろう。
「お、じゃあ今日はツナを独り占めできるのな〜」
「へ?」
「いっつも骸がお前ガードしてて中々話せねえからさ」
「はは、何それ」
「だってよー、まず教室行くと獄寺がお前に近づけないようにしてくるだろ?」
「そうだ、ね」
何故か俺を慕ってくれてるクラスメイトの山本に対する態度を思い出す。
なんであんなに威嚇するんだか知らないけども。

「昼は獄寺に加えて他のも加わってくるし。
放課後は俺部活あるからやっぱり無理だからさ」
「うん」

野球少年の山本は部活をサボったりはしない。
よって最近あまり山本と会話した記憶がなかった。
「だからほんと嬉しーんだよな。
ツナとこうやってゆっくり話せるのとか」
「山本・・・」
久しぶりじゃね?と微笑む山本に何故か申し訳なくなった。
別に避けていた訳でも、全く話していなかったわけでもない。
ただ以前よりも会話が減ったことは確かだった。

自分みたいな奴と仲良くしてくれる友達なんてあまりいないのに。


「そういや、ツナ今日暇か?」
「学校終わった後?
えーっと、今日は暇だけど。っていうか大抵俺暇だよ」
家の仕事で忙しいの間違いだろ?と笑ってから、山本は内緒話をするようにこそっと言う。
「じゃさ、今からどっか遊び行かねー?」
「今からって、が、学校は?」
「偶にはいんじゃね?
幸い俺等欠席とかあんまないしさ」
「そーだけど・・・」
遅刻はしてるし居眠りばっかだけどと言ってにかっと笑った山本に、一瞬キョトンとしたツナは噴出す。
確かにそれもそうだ。


いつもど同じように今から学校に行って寝るんだったら、今日ぐらい山本と遊んだって構わない気がする。




「ま、偶にはいっか!」
「だろ?
よし、じゃあ先ずは腹ごしらえに駄菓子屋行こうぜ!」
「あ、ていうか俺たち制服じゃん。補導されたりとかし、」
「だーいじょうぶだって!ツナは俺が守るからな!」
「えぇ!?ホントに平気なの!?」










見つかったらそんときゃ逃げればいいだけだしと悪戯っ子のように笑った山本に引っ張られながら、ツナも走った。
その眩しい位の笑顔に少し照れたように笑い返しながら。



































本編にUPしそこねたんだぜ小話。似てない兄弟達が喧嘩した次の日位ですかね。
でも実は勿体なーい精神でこそっと前の雑記に載せてたものです使いまわしスイマセン_| ̄|○

それにしてもアダノの山ツナは何故か最後は走り出すパターンなのは何故。。。


2009.4.24



あきゅろす。
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