3

「ようツナ!今帰りか?」







トボトボと帰っていたツナは、元気に走ってきた青年を見上げた。
優しげな笑顔に体がほっとするのがわかった。

「ディーノ兄、さん」
「・・・ん?
どうかしたのか。元気ねえぞ?」

明らかにションボリとした様子の愛弟にディーノは眉を顰め、しゃがみ込んで目線を合わせる。

「どうしたツナ?」
「う、」
「う?」
「うわーーーん!!」
「うおっ?ツ、ツナ!?」

途端抱きついて泣き出したツナに、可愛い弟に抱き付かれて嬉しいと不謹慎なことを思う反面オロオロした兄は、取り合えず家へ帰ることにした。

































【 我らが番長 3 】


































「落ち着いたか?」
「ん・・・」
すっかり赤くなった鼻をもう一度かみながら頷くツナに、ほっとする。

「ありがと、ディーノ兄さん。もう平気」
そう言って膝から降りるツナに、ディーノは残念そうな顔をした。
「もっと座っててくれてもいいのに」
寧ろ嬉しいという兄にツナは苦笑する。
「ちょっとこの年でそれは恥ずかしいよ」
「誰も見てねえからいいじゃねーか」
「うん、でも。もう平気だから」

その笑顔から照れているだけではないことがわかったディーノは、遠慮が多い義弟に寂しそうに笑った。




「・・・そっか」













ツナはディーノに遠慮することが多い。
それは恐らく、血が繋がっていないことが大きいんだろうとディーノは思っていた。

血なんか繋がっていなくたって二人きりの家族なんだから、もう少し甘えてくれてもいいのにとも。
















「肩までしっかり浸かるんだぞー?」
「わかってるってば」

子供扱いが過ぎると少し口を尖らせた可愛い弟を見送ってから手持ちぶさになり、ディーノはシンプルだが使い心地はいい椅子に腰掛ける。



顔を洗うついでにお風呂へ入ってくると行ってしまったツナは、結局どうして泣いていたか話してはくれなかった。
何があったか聞いてないから当たり前といえば当たり前なのだが、聞き出すような真似はしたくないしツナ自身が話したいと思ってくれなければ意味がない。
「やっぱ俺じゃまだ頼りないのかー・・・?」

ツナと六つ程離れているとはいえまだまだ若造の部類に入る自分に切ない溜息が出る。



ツナのことを悶々と考えている途中、ポケットに入っていた携帯の振動でふと我に還る。
取り出してみれば見慣れた名前だった。

「どうした、ロマーリオ?
・・・・・・・ああまたあそこのか」
最近よく聞く名前にまたかとディーノは呆れた声を出した。
よくもまぁ、飽きずに申し込んでくるものだ。
「別に悪さはしてねーんだろ?
だったら小競り合いも必要ねえってもう一回伝えといてくれ。
ああ、悪いな」






何回目だかは忘れたが、何故か決闘のようなものを申し込んでくる者がいるらしい。
いつも相手にしないので顔は知らないが、確か並盛高校の生徒だった気がする。
ツナにも気をつけるよう言った方がいいだろうか。

「名前はえーっと、」
「ディーノ兄さーん、ゴメンシャンプー切れてたんだけどストック何処だったっけー?」
「ああ、待ってろ今行くから」







忠告する為に思い出すことをやめたディーノは、ツナが呼んでくれたことにホクホクとしながらリビングを出た。








































また同じ解答だったと報告してきた草壁に、雲雀は眉を寄せた。
跳ね馬ではなく、逃げ馬の間違いだったのだろうか。


(まぁ、沢田綱吉の義兄ってことは間違いないみたいだけどね)


調書を捲り、雲雀は目を細めた。


































奇しくもこの二人の兄弟が、同じ人物に頭を悩ませていたことを知るのは少し先のことである。





<...fine?>






















短めだけれどもやっとディーノ出せた!
でもまた次はヒバツナかもやしれませぬ。。。


それかスクツナ。



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