2.5


「・・・俺の知り合い、ですか?」
『はい、本人は先ほどからそう言い張っているようです』
「あのその方のお名前は?」
『六道骸といって現在取調べ中の被疑者です』
「……(骸って、また凄い名前だな)いえ、聞いたことない名前ですけど」
『そうですか、どちらにせよ貴方に来ていただかないと建物が崩壊する危険性があるので、至急支度をお願いします』
迎えはもう出しましたのでという声は、携帯越しに雑音として響く破壊音により掻き消された。
雲雀らしき声が誰かと言い争う聞こえる。
よく聞き取れないが、とんでもない舌戦が繰り広げられているようだ。

直ぐ支度しますからと、回線の調子の悪いらしい向こうに言ってから携帯を切り、急いで自室へ向かい洋服ダンスを開き慣れたようにスーツを羽織る。
ネクタイをもたもたと結びながら先ほどの豪快な音を思い出した。

(あ〜っ、もう雲雀さん〜〜〜!)
自分の知り合いだと何故か言い張っているらしい男は知らないが、雲雀が多くの人に迷惑をかけているらしいことに頭を抱えたくなった。
「全く、昔とちっとも変わらないんだから」

少しは大人になったと思っていたが、そうでもなかったらしい。


「まぁ、俺が呼び出されるのは構わないけどさ。
慣れっこだし」

































だって俺はあの人のお兄ちゃんなんだから。





















リビングのテーブルに書置きを残し、ツナは飛び出すように家を出た。



















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