ご近所さん

「あれ?キミ、綱吉クン?沢田綱吉クンでしょ?」
「・・・・・・・」


妙にキャピキャピとした声に振り返ると、思わず一歩引いてしまうような白髪の男の人がいた。
一言でいうと、なんか。

・・・原宿にでもいそうだ。




相手はこっちの名前を知っているようだが、全く見覚えのない人なので無言でいるとその人は俺をマジマジと見下ろした後、




「可ッ愛い〜〜ッッ!!」
「な!?」



満面の笑みで抱きついてきた。
































【 ご近所さん 】




































・・・・あれ、俺今逃げた方がいい?


やっぱ実物のがいいーよねなどと頬擦りしてくる見知らぬ人に、どうすればいいかわからず硬直していると家の方から煙が走ってくるのが見えた。
いや、煙というか・・・、あれは。

「綱吉兄さん、少し顎をひいて下さい」
「・・・・・ちょ、まッ」
「え?うわ!」

黒い疾風のようなものに白髪の人は結構な速さで吹っ飛び、派手な音を立てて塀にぶつかっていった。

(・・・あれは塀に穴が開いたな)
いささか茫然としながら冷静に人が文字通り吹っ飛んだ方を見た後目の前に立っている長身を見やり、間違いなく自分の見知り過ぎている人物だったことにどっと疲れが襲ってくる。
何故家から100Mは離れている此処の状況がわかったんだろうか。
深く考えると恐ろしい考えばかりが浮んでくるだろうからそこで考えるのはやめる。

兄としてっていうか、まず人として注意するべきだろう。
「・・・取り合えず、明らかにやりすぎだからな骸」
「何処の馬の骨知りませんが僕の綱吉兄さんに触れたのですからこのぐらい当然です」
無言で黒いオーラを撒き散らし、見惚れるような飛び蹴りで俺には掠りもせず白髪の人を吹っ飛ばした男は、吐き棄てるように言う。

いや、あの人の頭陥没してそうなんですけど。それですんでたら奇跡ってくらい。

「誰がお前のだ。大体それ関係ないし。
それに、知らない人なら余計に、」
「え〜?知らないだなんて酷いなぁ。
骸クンってばクラスメイトの顔ぐらい覚えててよ〜」
「!?」
どうせ聞かないだろうが一応言っておこうとしたツナの言葉を遮るようにして、男はむくリと起き上がった。
何事もなく軽く衣服を叩き、男はにっこりと笑う。

ぎょっとするツナと違い、骸は眼を眇めた。
「・・・・おや、誰かと思えば貴方ですか」
「元気してるかなーと思ってたけど本当、絶好調みたいだね六道骸クン?」
「え?」

何やら顔見知りらしい。
(骸に千種君とか犬以外の友達(?)とか初めて見たな)
一定の人物としか交流のない骸には珍しいことだ。

がしかし、幾分和らぐかと思われた骸の表情は逆に悪鬼と化した。

「貴方ならば百億回輪廻してからでも早い位ですから今すぐ僕と綱吉兄さんの前から消え去りなさい・・・ッ!」
「いやそれ俺生きてないよね?」
「だから言ってるんですよどれだけ理解力乏しいんですか貴方」
「あはは骸クンってば酷〜」
全然酷いと思っていないようにきゃらきゃらと笑う白髪に、骸は苛っとしたようにする。

「大体貴方、何しに来たんですか」
「え、そりゃあ勿論骸クンからかいに?」
「巡りたいんですか?」
当然の答えに白蘭はゴメンゴメンといいながら、
「本当はね、」
「うわッ!?」
呆れたように状況を眺めていたためか油断していたツナを引き寄せる。
「噂のツナちゃんに会いに来たんだ」
「あの、ちょ。くすぐった、やめッ」
頬擦りがくすぐったいのかツナは嫌がるが、白蘭は離そうとはしない。
ツナの反応に白蘭は猫のように満足そうに笑む。
「うん、やっぱり悪くないね。寧ろ、」
そこで口を噤み白蘭はツナを抱きかかえたまま後ろへ飛び退く。
それと同時に先程までいた地面の一部が消滅する。
(・・・・・うわ。まさか、)

聞きなれた音に顔を引き攣らせたツナは、次に見たく無かったものを視界に入れ白くなったまま石化した。







「・・・・・・・・・・君が誰とか、愚弟と知り合いらしいとか、そんなのはどうでもいいけど」









消滅させたものなど気にする様子もなくゆらりと立ち上がった男は、笑った。













「今すぐ僕の綱吉を放しなよ、君」














猛禽類を連想させる瞳孔が開ききった瞳とともに、黒光りする凶器が煌めいた。












<・・・fine?>

















久々、似てねー三兄弟UP!

本当は別の話にしようおもてたんに何故か三兄弟の話に(笑)


さてさてこの人登場でどうなることやらですね〜



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