専売特許


ひどいひどいあんまりです!
そんな気持ちを込めて目の前の大好きな人を、でもちょっぴり今は憎たらしい人をじとっと睨む。

一生懸命睨んでいるのに、見つめているとドキドキしてくる胸を叱咤する。
(ううう、やっぱりツナさん素敵です〜っ)


って今はトキめいてる場合じゃないんですよ!
ハルはとっても怒ってるんですから!






それにたじろぐようにその人は目線を泳がせたので小さな声で尋ねた。

「・・・忘れてたんですかツナさん」
「う、その色々あって、えっと忘れてたわけじゃなくて、」
「―――…ブロークンハートですぅ〜」



我慢していた気持ちが決壊してじんわりと視界がぼやけた。

































【 専売特許 】


































やっぱりそうだったのだ、忘れられていたのだという気持ちによりブルーなものがやってくる。
なにか物が欲しかったわけじゃない。
何も望んでいなかったと言ったら嘘になるけれど。




ただ一緒にいたかったんです。

ハルを見て笑いかけて欲しかったんです。

貴方からのおめでとうの一言が、欲しかったんです。




そうじゃないと自分が、それだけの存在なんだと思ってしまう。






そんな気持ちをわかって欲しいだなんて、お門違い。
いつも眼をそらしていることが、これが片想いの恋なんだということが。

こういう時に嫌でも実感してしまう。


でも仕方ないんです。
わかってます。
ツナさんは忙しい人だし、誕生日だって何度も何度もしつこい位にハルが言ってやっと覚えて貰ったようなものですし。

(・・・・結局忘れられちゃいましたけど)



でももういいだろうと自分に言い聞かせる。
こうして家に来てくれただけでも十分じゃないですか。

さあ笑って仕方ないですよと笑わなければ。
笑顔だけはハルの専売特許なのです。

これだけは誰にも負けないってくらいの笑顔で平気だって。


・・・・嗚呼でも何でだろう、さっきから顔が上げられない。







いつも元気な少女が眼を潤ませたきり黙ってしまったことにツナは激しく動揺し、思わず手を突き出した。
「ほ、本当ゴメンな!?こ、これプレゼント!」


焦ったような声に顔を上げ、滴が零れそうだった瞳が捉えたのは突然咲いた小さいけれど可愛らしい花束。
淡い色とりどりの花々にハルは眼を丸くする。

差し出しても何も言わない少女に、なんか反応してくれ〜恥ずかしいよ〜などと内心身悶えていたツナを知ってか知らずか。
少女は不思議そうにコテと小首を傾げた。
「・・・ツナさんが花束、ですか?」

買うの恥ずかしくありませんでした?というのにツナは素直に頷く。

「かなり・・・、って笑うなよ!」



一人挙動不審にカチコチになりながらも花束を買うツナを想像したのか、クスクスと笑うハルにツナは真っ赤になって抗議する。
それにハルは涙を拭った。
「すいません、嬉しくて。
ありがとうございますツナさん、ハルはツナさんにお祝いしてもらえて、とってもハッピーです」
「・・・・・・・・・・・・・・」

嬉しそうに受け取った花束の香りを楽しむハルから微妙に目線を逸らし、ツナがぼそりと呟く。
「・・・から」
「え?」
「だから、来年は、その」
「?」




ちゃんとお祝い、するから。




「誕生日、おめでとうハル」
「は、はひ」

照れたように、でもふわりと優しく微笑んだツナに、今度は逆にハルが真っ赤になって小さくお礼を言った。






























・・・笑顔だけはハルの専売特許なんて思ってましたけど、やっぱり違いました。

























「ツナさんの笑顔には、ハルも勝てないみたいです」
「は?どういう意」
「ガハハハ!!ハル誕生日おめでとうだもんね!!」
「ハル姉おめでとう!!」
「ぎゃあお前等、ちょ、俺踏み台にするなって!!」
「はわ皆さん!?」







何でもないと笑って首を振ったハルに対するツナ疑問は、突然やってきたランボ達により掻き消えた。

























(やっぱりツナさんの笑顔がナンバーワンです!)







<fine>

































ランボ乱入の為雰囲気が壊れます(笑)
てか去年のハルBDのMEMO会話文に加筆しただけの代物ですホントすいませ_| ̄|○
それにしても微妙にスランプ気味の文章でお祝いとかないわ〜。。。

兎にも角にも1日遅れてだけどもおめでとうハル!(散々やな

2009.5.4


あきゅろす。
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