とても冷静になんてなれません
「沢田綱吉を捜すことが最優先事項だ!!」
(ああ綱吉さん綱吉さん綱吉さん・・・・・・・・・・・ッ!!!)
こうも口にしていることと心で思っていることが間逆なことに、気が変になりそうだった。
【 冷静になんてなれません 】
口では尊大な口調で命令を出しながらも、その名前だけが頭の中を渦巻く。
今自分が焦っている姿を、誰もが基地の何処に彼がいるかを懸念して焦っているようにみえるだろう。
だが実際は違う。
ただ心配で、無事な姿を一目見たいだけなのだ。
こういう事態になるよう仕向けたのは自分なのに、任務だとわかっているのに。
どうしても感情と理性は一緒くたになってはくれない。
自慢でも何でもなく、自分は大抵のことにはどんなことだって顔色を変えずやってのけることができる。
心ではどう思っていようと。
でも彼のこととなると、途端もう駄目だ。
無理に近い。
苦しくて苦しくて仕方なくなるのだ。
今こうして此処を飛び出さず立っていられるのが不思議なくらいに。
心配で心配で心配で。
涙さえ滲んできそうになっているというのに。
それを隠すために眼を閉じる。
綱吉さんから与えられた大切な任務。
僕しかいないと言ってくれたとき、幸福感が身体に染み渡っていくのを感じて、どんなことでもできると思った。
でも、駄目だ、やっぱり。
(貴方のことだけは、冷静になんて、なれません)
勝手だとも、矛盾していることもわかっている。
だけどどうか。
無事な貴方とまた会うことができますように。
数時間前確かにモニターに移っていた、今は小さな彼に祈った。
<fine>
兄リボの正ちゃんがツナたんを心配しまくってるようにしか見えない(ザ☆フィルター
2009.2.25
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