注意を呼びかける声に上を向けば、スローモーションでそれは落ちて来た。

































【 光 】




































(・・・此処まで頑張ったんだから、完璧なX-BURNER。
見たかったな・・・)




目の前が霞んでいてよくわからないが、大破してしまったんだろう愛用していたPCを眺めながらぼんやりと思った。



今、どうなっているのだろうか。

ジンジャー・ブレットの攻撃で耳もやられたのかよく聞こえないから状況が全くわからない。

何も聞こえない。






(・・・ボンゴレ、ちゃんと受け取ったかな)






完成させる次にはただ渡すことのみを考えていたから、ちゃんと投げられたかどうか。

(っていうか投げるって、何・・・)



変な笑いが込み上げてきそうになり、痛む肋に咳き込む。

らしくない。






そもそもアレ、地面に落ちたりしたら終わりなのに。

どれだけ慌てていたのだろうか。






















(見たかった、な・・・)









再度思う。


でもそれはX-BURNERだけではなくて。





正直に言えばそれよりも見たかったのは




(でもまぁ、今のウチの状態じゃ、どのみち、む・・・)


































「眠るのはまだ早いぞ スパナ」

































聞きたかったその鈴のような凛とした声に















「おまえが見たがっていた完璧なX-BURNERを 見せてやる」


















見たかったその眩しい姿に。

泣きそうになる程 体が震えた。































目の前を舞う琥珀に輝く光の軌跡。

「キレー・・・、だ」










アレに囚われないものなど皆無。

傲慢とまでいえるくらいの力と膝を着きたくなるような圧倒的な魅力と美しさ。











そう。

ウチはあの光に魅せられた。







一度見てしまえば、引き返すことなど不可能だ。

























(・・・正一、怒ってるんだろうなー)

アイリスとジンジャー・ブレットが迷いもせず攻撃してきたことからそれはわかっていたけども。








でもな、


(お前も見れば納得するよ、正一・・・)




















うっすらと笑い、スパナは満足そうに眼を閉じた。







































次はきっと心配で泣きそうな顔をした、平凡そうで非凡な少年が起してくれると。


分かっていたから。
















<...fine>


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