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『悲観することはないよ
大空専用の匣も存在するらしい』
そう言われてからどんな動物が入ってる匣なのか自分なりに想像してたりはした。
皆も気になるらしく、あれでもない、これでもないと短い休息の間に笑いながら話したりもした。
でも、実際は予想だにしていなかったもので・・・。
混じりけのない純度の高い炎を纏い、漆黒のコートに身を包んだその長身に、誰もが息を呑んだ。
「ひ、人!?」
「まさか、大空のボックスがこんな代物だとは」
「すげー綺麗な炎なのなー・・・」
まわりの皆が驚きながらも感心したように見ている、目の前に立っているその人が、
今自分の手に握られている小さな匣から出てきたとは思えなくて。
(いや、っていうかその前に・・・っ
眼を瞬かせ、ふとツナを見下ろした男は茫洋とした表情のまま小首を傾げて呟く。
「・・・・・・・・・・デーチモ?」
「あ、なた、は・・・ッ!!」
その人はつい最近出会ったばかりの人で
「ボンゴレ、T世・・・ッ!?」
「「「な・・・っ」」」
何ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?
【 これは予想外! 】
ツナはげんなりしていた。
自分の匣の中身が人だったことにも、それに対する最初とは異なる周りの反応にも、
そしてなによりこの人が、
「てめえ!いい加減十代目から離れやがれ!」
「落ち着けって獄寺〜」
今のツナのいる所が大変気に喰わないのか獄寺が敵陣だというのに大声で地団駄を踏み、山本がまーまーと笑いながら後ろで羽交い絞めにしている。
それを煩わしげに流し見、男は獄寺を上から下までざっと観察した。
「・・・・お前、嵐か」
「な、わかるのk」
「歴代の嵐の守護者達は総じて煩い吼える駄犬だった。お前もその類だろう」
「んだとーーーーーーーー!!!!」
・・・・・美麗な見た目からは想像も出来ない毒舌の持ち主だったことに。
会った瞬間気に喰わないと言って吹っ飛ばされた獄寺が気の毒で、ツナは仲裁しようとおずおずと声を出す。
「あの、初代さん、あんまり」
「ジョットだといったろう、ツナヨシ」
「え、と」
が、直ぐに後ろから耳元で囁かれるようにされ、くすぐったくて言葉が続かなくなる。
「他の者は名で呼ぶのに俺には余所余所しく初代は狡いぞ」
「・・・・・・・・・・」
子供みたいな人だ。
何故かこの人は自分に酷く御執心らしい。
まあ、血はかなり遠いけども繋がっているから、きっと孫のように思っているだけかもしれないのだが。
「あの〜、ちょっといいすか?ジョットさんって、」
「お前等は初代でいい」
早速言うとおりに呼んだ山本に初代は眼も向けず素気無く言う。
露骨な態度の初代に些か顔を引き攣らせはしたものの、山本は続ける。
「・・・あーじゃあ初代さんは、ツナの、この大空の匣兵器みたいな役目してんすか?」
「厳密には違うが。まあそう思いたければ思え」
「「「・・・・・・・・・・・」」」
「それよりお前等、」
「「?」」
「だーっ!くそ!あの野郎〜〜っ!!」
『ツナヨシと話がある、邪魔だから出て行け』
有無を言わさず力ずくで放りだされた獄寺は忌々しそうに壁を殴りつけた。
「いっくら十代目似てるからって我慢できっか!
十代目の皮被った雲雀かザンザスじゃねーか!」
「まーしょうがねーんじゃね?
ツナに触れてねーと炎消えて匣戻らなきゃいけねーみてーだし」
同じく放り出された山本か苦笑する。
「んなの俺の瓜と一緒だろーが!」
「だったらお前、ツナの気持ちもわかんじゃねーの?」
「う・・・」
「ツナが誰かをみすみす餓死(?)させるみたいなこととか無理だろうしな」
ましてや初代は見るからに人型で、優しいツナが自ら弱らせることなんてできないだろう。
「別にツナに害があるわけじゃねえしさ」
「俺の心が休まらねえ!」
「おめー右腕ならそのぐらい我慢しろっての。
ボスの言うこと聞くのも役目だろ?」
ツナはどうしていいかわからない顔をしているだけで何も言ってはないけども。
「て、てめえに言われなくたってわかってらぁ!
でもなぁ!」
ビシッと獄寺はツナ達がいる室内を示す。
「十代目を膝抱っこする必要は何処にもねーだろ!!
俺もやったことねーのに!」
ぶーぶーいう獄寺に、いやお前もそんなんやる必要なくねと突っ込む。
まあ山本も、それは些か面白くはなかったのだが。
でも彼をツナから無理やり引き剥がすわけにもいかない。
まず実力が足りないし、彼を匣に戻すのも得策ではないからだ。
きっと彼はツナのこれから攻撃の要になるだろう。
(これ以上の守りもねーしな〜)
まざまざと実力を見せ付けられた後なので溜息しか出てこない。
あの 匣が開かれた瞬間
眼が眩むほど怜悧に美しく輝いた炎を纏った男は、瞬く間に敵を屠った
何が起こったのか理解をする前にツナの眼の前に再び降り立った男は
ちらと此方を見 眼を眇め言い放った
『・・・守護者だなんて名だけの存在ならば、失せろ』
ツナの傍にいる資格などないと言われたも同然の宣告
「・・・これで、引っ込んじゃ男じゃねーよなー」
「あぁ!?何ブツブツ言ってんだ!俺の話聞いてたのか!?」
「わーってるって、初代の膝からどうやってツナから降ろすかって話だろ?」
「全然違ぇよ野球馬鹿が!!
どうやって此処突破すっかって話だ!」
「はは、ワリーワリー」
(でもさ、初代さんよ)
『おまえはボンゴレ唯一の存在となる』
「小僧と約束したんだから、俺だって負けてらんねーのなっ!」
「なっ!?おい山本!
勝手に行くんじゃねー!」
「ツナ達も呼び行こうぜー」
一人の少年が心を決め
一人の亡霊が温もりを感じている時
それに気付いたのか
ただ意味も無いものだったのか
遠く離れた箇所で 不意に顔を上げた男は笑んだ
「ツナ君、そろそろかな〜?」
]代に渡る業を背負いし少年が、此処へやってくる日も近いようだ
―本当の戦いの幕が上がったことを 少年達はまだ知らない
<...fine?>
何書きたかった、自分
取り合えず初代が大空の匣やったらSUTEKI☆じゃないか!とか暴走して後半詰まっただけっていう。。。(殴
でも実際そうだったらいいのにな〜
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