「何が、右腕だ・・・・ッ」









何の役にも立ちやしなかった









『君がいてくれて良かった獄寺君、どうも有難う』


優しい言葉に、調子に乗って逆上がっていただけ。








何て面汚し。
















もうあの人のいない世界なんて壊れてしまえばいい。

意味の無い声を上げながら呆とした思考の中で思った。




まるで骸のようなことを。
嘗て必死にアイツから十代目が守ったっていう世界なのに。

昔から餓鬼なのが変わらない自分。








もう、うんざりだ。









口ではうっとおしいと言いながらも、本当は素直になれなかっただけの女性の顔が頭をチラついたが、それも一瞬にして消え去る。






















今まで築いてきたものが音もなく崩れていく音だけが俺の中で響いていた。





あとに広がるのは一面の赤くて黒くて息もできない海だけ。

































【 謝罪 】

































「雲雀は行かないと言っていましたが、きっとアイツのことだから。
後から来ると思います。
アイツは貴方だけが好きですからね」







昏々と眠っている徒一人の主に話しかける。


それは此処数日、もう日課のようになっているようなことだった。












「そうしたら、俺に謝らせていただけませんか?
十代目・・・・」











くだらないともいえるような話のネタが、尽きた頃。
ポツリと本音が零れ落ち、白すぎる頬が眼に染みそうになった。












もう右腕の資格などなくても、俺は貴方の傍にいたい。


願うだけなら、迷惑にはならないと思いたかった。



















ただ、自分は。


しょうがないなあと、また貴方が笑ってくれるのを待っているだけだから。





















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