『        』

ふと聞こえたものに背後を振り返り、次に背筋に奔った感覚に

食道を競りあがってくる嘔吐感に




堪えられず、跪いて吐き出した
















額から伝った汗と、口から滴ったものが合わさり



「・・・・・・・馬鹿な」



薄汚れて乾いた地に落ちた






































【 嘘 】







































自分は彼ほど嘘吐きな者を知らない。

『俺は消えたりしない。ここにいるよ、約束する。
だからお前も、』




だから僕にも、約束しろと言った癖に。

そう言った、癖に。






それなのに

「貴方も・・・、貴方でさえも 僕を置いていくのか・・・ッ」



薄汚れた地面を打ち付ける。

穢れた、汚らしい原型を留めていない亡骸達が転がり広がっている此処からは、
到底彼に直接訴えることなどできない。

それがわかっていて今回の仕事を押し付けてきたのだとしたら。


「所詮貴方もマフィア、というわけですか・・・」
既に乾いていた手から新たな液体が滲み出て来る。

脳髄に微かに奔った感覚に、全てがクリアになっていく。











































「・・・狸寝入りとは。
流石にあの男の息子で、アルコバレーノの教え子であるドンボンゴレですね」

薄暗い誰もいない部屋で、
いつもと違い、人ではなく花に囲まれている男を見下ろす。








無防備で白い喉を晒している姿はまるで

巨匠が人生を込めた絵画のようで









「・・・逃がしませんよ、ボンゴレ」







誰が、過去など行くか。

誰が、君の言うことなど信じるか。





もう知らない。
もういらない。


君の甘い言葉は聞き飽きた。











「・・・もう、我慢はしません。僕は貴方を手に入れます」




冷たいのに透き通った白さと美しさを持つ男に宣言した。

































それが例え、十年前の貴方だとしても。

構わない。



































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