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(アレ・・・・?)
それに気付いたのは大分経ってからだったと思う。
散々咬み殺されるわやっと起きたらしいランボに顔を踏まれるわご近所は滅茶苦茶だわでもう色々面倒になって隅の方に座っていた時だった。

時計は生憎持っていないので、日の陰り具合で気付いた。
これなら5分なんて当の昔に経っているだろう。

なのにどうして、







「そろそろ降参するかい?」
「疲れたならそう言えば」







・・・この酷く似通ってる二人は、未だに戦っているのか。


























【 ダブルトラブル! 2 】


























ことの始まりはランボがいつもの如く十年バズーカを誤射したことから始まった。
違ったことは弾の行き先が並盛最強のお方だったというだけで。
そして何故か二人に増えた風紀委員長に絡まれ戦々恐々。
やがて始まった攻防にこっそり逃げることも叶わず黙っていたのだが、こうなっては声をかけないわけにもいかなくなった。
薄っぺらい勇気を最大限に奮起させる。

「あ、あのう!雲雀さん!」
「「何」」

揃ってツナに向けられる鋭い双眸。

あ、そうだ、両方とも雲雀さんだったんだなんて間抜けなことに気付いても時既に遅く。
ツナはまた二人に見下ろされた。
あはははははいつもよりも更にすっげープレッシャーなんてアホなことを考えてみるが恐怖が消えてくれるわけもなく。

呼びつけといて何も言わない気?といういつもの雲雀にうっと詰まれば、早く言わないと困るのは君だよとこの時代の彼とは違うことが一目瞭然でもあまり中身は変わってないらしい十年後の雲雀に笑いかけられ冷や汗が流れる。




(・・・・・・・・俺、何でこんな目に遭ってんだろう)




誰か教えてと心の中で呟いたってこの場にはいない家庭教師が日頃の行いのお陰だなとニっと笑っているのが軽く想像できてげんなりしただけだった。

「俺がその、言いたかったっていうか、聞きたかったのはですね、この後のこと、なんですけど」
「・・・・この後?」
「は、はい。
こうなった原因はわかってるんですけど、それでも今のこの状況はおかしいことになってまして・・・。
貴方は、その、ご存知かもしれないんですけど」

そろりと見れば、まあ大体ねと十年後の雲雀が肩を竦める。
自分だけよくわかっていないことに些か不満げだが、この時代の雲雀も今は特に口は挟まない。
元々勘の良い人なので、何となく状況を読んでくれているのかもしれない。
どういう仕組みでこうなったのかはわからないし、自分だけじゃどうしようもないので帰ってリボーンに聞いてはみるが、とても今日中に解決することとも思えない。
だから貴方が今日寝泊りする場所をどうするかを聞きたかったのだと十年後の雲雀に説明する。
まさかこの人を野宿させるわけにもいかないだろう。
色々危なすぎるしさせるのも気が咎める。
一番なのはこの時代の雲雀の所に泊まって貰うことなのだが・・・。


「やだよ」


(・・・・・・・・・ですよねー)

うん、予想はしてた。
縋るように窺っても、一、二もなくプイと顔を背けて断わった雲雀に、ツナは乾いた笑いを浮かべる。
諦めて十年後の雲雀を見上げた。

「だから、その。良かったら、俺の家に泊まって下さい」

こうなったのはウチのランボが原因みたいなものですしと前置きして言ったツナに、十年後の雲雀はやや目を見張った。
まさかそう言われるとは思っていなかったらしい。
しかし次には魅力的に微笑む。
「そう。じゃあ、お言葉に甘えようかな」
「そんな広いところじゃないんですけど」
「知ってるよ」
「あ、そうですか」

何故知ってるのかとは怖くて聞けなかったツナは、そこで不穏なものを感じ取った。
見ればこの時代の雲雀が無言で不機嫌オーラを噴出している。
・・・・・・明らかにさっきよりも機嫌が低下している。
「そんな風紀が乱れることは許さないよ」
迷惑はかけていない筈なのにと蒼褪めていたツナは、その言葉にああ風紀ねなる程ね!と自棄っぱちになったように納得した。



風紀という単語には反応したのか十年後の雲雀が口を挟む。
「風紀が乱れるなんて有り得ないよ。
僕も君と同じで昔から風紀を重んじてるからね」

しかしそんなことは信じられないと首を振った昔の自分に、男はじゃあと新たに提案した。



「それなら君も泊まればいいんじゃない?」



(・・・・・・・・・・は?)
さらりと言われたことにツナは固まった。
何故にそんな意味のわからないことをおっしゃってるんだろうかこの人は。
そもそもそんなことをこの時代の貴方がするわけないでしょうと否定しようとしたツナは、




「それならいいよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」




何が良いんだかさっぱりな予想外な返答に、真っ白になった。


















直ぐに正気に返って何でそうなるんですかああああ!?と頭を抱えて尋ねても。
まともな返答が得られるわけもなく。

ツナはトラブルメーカーな人が2倍になったということを今更ながらに理解しても、これがまだほんの序の口なんだということからは必死に眼を背けることにした。












<...fine?>







































尊敬するT様に捧げさせていただこうとしてたんですがあまりの酷さに急遽取りやめた代物です_| ̄|○

2009.1.17



あきゅろす。
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