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『ベクトル』2

「ツヨさんのあほたれ」
「………………」
「何でカレー作ろうとして固形物が出来るんだよ、アホが」
「だあって」
「俺に全部やらせりゃいいんですよ。今まで通り飯も洗濯も、夜もツヨさんはマグ」
「うわわわ!」
「せめて職さえ持ってくれりゃ俺は喜んで主夫でも何でもしますよ。もちろん夜はビーストな夫」
「わわわわ!!!」
「アンタ、結局俺が全部やってんだろが、分かってんすか」
「う〜〜〜〜〜ん」
「世間じゃツヨさんみたいのをヒモっつうんだよ。いくらヒモでもこの無能さは無いわ!カレー一つ作れないとか!」
「……………」
「ほらゴメンナサイだろ」
「……………」
「ゴメンナサイ、は」
「………ふんだ」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………ん?」
「……………」
「……?!!な、泣いてんの、よっふみくん!!」
「泣くかぼけ」
「うそだあ、顔みせて」
「うるせえ、糞ヒモ」
「………こっち見てよー」
「……………」
「ごめんなあ、俺、ハロワ行く」
「…………ぅ」
「ご飯とか家事とかできないけど…。よしふみ、無理してた?」
「し、してねえ」
「まっかっかじゃん!図星!」
「ずず図星とかねえわ!はははは…!!!アンタ一人くらいチョロいっつうの!干支一回転年上のくせに愚図でどうしようもねえな!!!!」
「そんなおじさんに夢中のくせにい〜〜」
「…!?………」
「さて、求人誌でも見てみようなかあ」
「…………………」
「お、どうしたあ?服伸びるだろ〜」
「…………………」
「……とりあえず、菓子でも食う?」
「…………うん」



終.




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