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第二の人生
9
僅かな威勢も萎み、積極的に動くのは心臓だけ。
鼓動が加速。
応じないおれに微笑みを垂れながら、ガキは手を伸ばした。
一瞬の強張り以外、おれの体は動いてくれない。
抵抗ままならぬまま、頭に被った布を掴まれ、ずるりとずらされた。
あふれかえる白色に、慣れない目は戸惑う。
こええ。
「お前はもう、魔王の伴侶ではない」
我の物だ
そう言って、ガキの細っこい指が、おれの髪を梳いた。
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