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小話
とりあえず、こんなカンジの日々。
ボクと海馬くんは、お付き合いをしています。





ガラッ


昼休み、いつものように教室で杏子、城之内くん、本田くんと一緒に昼ご飯を食べていた。
開かれた扉の方を見ると、そこにいたのは


「海馬くん!」


高校生でありながら、大企業海馬コーポレーションの社長を務めるクラスメートの姿があった。


「久しぶり、海馬くん!」
「……遊戯か。」


久々に顔が見られたのが嬉しくて、思わず駆け寄る。
城之内くんはなんだか怒ってるみたいだけど、なんでだろ?


「遊戯。」
「なに?」
「話がある、着いてこい。」
「うんいいよ。」


みんなに一言告げて海馬くんの後に着いていく。

話って何だろう?





「海馬のヤロー、何企んでやがんだ?」
「企むってお前……ι」
「遊戯に話があるってだけでしょ?」
「いーや、ヤツは信用できない!つーワケで、ちっと様子見てくる!」
「やめろって城之内!……って行っちまったよあいつι」
「あのバカ……」
「どうする?」
「連れ戻すわよ、当然。」
「ま、実際海馬が遊戯にどんな話があるのか気になるけどな。」





海馬くんに着いてきて、辿り着いたのは体育館の裏。
滅多に人の来ない、ひっそりした場所。


……海馬くんの用事が何なのか、わかってしまった。

千年パズルを外して、もう一人のボクには席を外してもらう。
もう一人のボクもわかっているみたいで、何も言わなかった。
ボクと海馬くんのことを知っているのもあるんだろうけど。
海馬くんが壁に寄りかかって座る。
ボクがパズルを外していることを確かめて、ボクに向かって手を伸ばす。
その手を取った途端に引き寄せられて、ボクの体は海馬くんの腕の中に収まっていた。


「遊戯。」
「うん。」
「……遊戯。」
「うん。」


ボクの肩に顔を埋めて、ここにいることを確かめるように名前を呼ぶ海馬くんの背中に腕を回す。
体格差のせいでしがみついてるみたいになってるけど、ボクだって海馬くんを抱きしめてあげたいんだよ。


「仕事、忙しかったみたいだね?」
「…モクバから聞いたのか。」
「新プロジェクトが最終調整に入ったって言ってたから。」
「……そうか。」


海馬くんはよくボクに抱きついてくる。
最初は戸惑ったけど、今はどうしてそうするのかを知っているから。


「お疲れさま、海馬くん。」
「遊戯……」


ポンポンと背中を軽く叩くと、さらに強くボクに抱きついてくる。


……ボクに甘えるみたいに。


いつも真っ直ぐに未来を見据えて、夢の実現のための努力を惜しまない。
前を塞ぐ障害を跳ね除けて、自分の道を進み続ける君。
だけど、そんな君の夢を理解しているのはモクバくんやボク以外には数えるほどの人しかいなくて。

……こんな風にボクに抱きついてくるのは、海馬くんの心が少し疲れてる時。

それに気がついた時、海馬くんのことがどうしようもないくらいいとおしくなって、同時に少し哀しくなった。

味方と呼べる人の少ない、彼の現状が。

ボクといることで、海馬くんの心に少しでも元気を取り戻せるのなら、ボクは幸せ。
こんなにもボクを必要としてくれることが、幸せ。


「遊戯。」
「何?……っ!?」


あまりにも唐突な海馬くんからのキス。


「ふ……んぅ////」


キス自体はイヤじゃなくて、むしろ嬉しいんだよ!?
でも、ここは学校で誰に見られるかもわかんないんだよ!////


「んっ……ぷはぁ////」


ああもう、ボクの顔絶対真っ赤になってる。


「なんなのいきなり……」
「……」
「……?」


海馬くんの視線がボクじゃない方に向いてた。
視線の先には、


「……覗き見とは良い趣味だな、凡骨。」
「じょっ、城之内くんっ!?////」


固まってる城之内くん。


「いたいた、って何固まってんだ城之内?……!?」
「まったくもう、何やってんのよ……!?」


本田くん、杏子まで!!
ど、どどどうしよう!?
こんな状況じゃ言い訳なんかできないよ!


「ふん、この際だから貴様らに言っておくが」
「ふわあっ!?」


海馬くんの胸に顔を押しつけるように抱え込まれる。


「……コイツはオレのものだからな。」


……今海馬くんがどんな顔してるか、見えないけどわかる気がするよ。
ニヤリって擬音が似合いそうな、意地の悪い笑顔なんだろうなあ……


ピリリリリッ


この妙な空気を振り払うように鳴り響いた電子音。


「オレだ。……わかった、すぐ戻る。」


海馬くんの携帯だったのか。


「……仕事?」
「いや、車に戻るのが遅いのが気になったらしい。」
「え?」
「課題だけ提出したら、すぐ戻るつもりだったからな。」


そう言ってボクを腕の中から解放して立ち上がる。


「じゃあオレは行くぞ。」


あれ、じゃあなんで


「……なんで教室に寄ったの?」
「?お前に会うために決まってるだろう?」


え。


「じゃあな。」
「え、あ、し、仕事がんばってね?」
「ああ。」


……行っちゃった。


「……ねえ、遊戯。」
「Σな、何杏子!?」


そうだ、杏子たちにどう説明すればいいんだよお!?


「いつからああいうことになってたの?」
「に、二ヶ月くらい前から……」
「そう……なんだかものすごいこと言ってなかった?」


ぼ、ボクに会うために教室に寄ったって……
うええええぇっ!////


「愛されてるわね、遊戯。」


忙しい合間をぬって課題の提出に来て、さらにボクに会うために教室に寄ってくれて、すぐ戻らなきゃいけないのにわざわざ会いに来てくれて……
うわあーっ!!
海馬くん、ものすごく恥ずかしいこと言ってったよ!?////


「……遊戯が納得してるんなら、私は気にしないから。」
「え?」


これって、ボクと海馬くんのこと認めてくれたってコト?


「「遊戯ーっ!!」」
「わあっ!!」


今まで固まってた城之内くんと本田くんがボクに勢いよく近づいてくる。


「何故だ、何故よりによってヤツなんだ!?」
「いや、男同士で付き合っていようと俺達の友情に変わりはないぞ!?ただ何故あの海馬なんだ!?」
「ふ、二人とも落ち着いて……ι」






ま、まあこんなカンジでボクと海馬くんのお付き合いのことはみんなにバレたわけで……
でも、ボクたちの友情に変わりはないって言ってくれたのは嬉しかったな。
ずっと黙ってるわけにもいかないって思ってたし。






ね?海馬くん。




END





はい!
初書き海表小説でしたー!

……うわっ、恥ずかしっ!

とりあえず、二人の仲は仲間内では公認。
無意識にナチュラルにイチャイチャしてればいいよ。



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