高銀(短編)
新年明けました!
「金時ー!」
「邪魔するぞ銀時」
「なっ!?…辰馬にヅラ!なんで…」
「どうした銀時ィ?……ちっ。来やがったか」
〈新年明けました〉
珍しく、坂本・ヅラ・高杉が万事屋に奇跡的に集まった。
本当は高杉と２人で年明けを祝う“予定”だったのだが………何故か馬鹿達がやって来てしまったのだ。
それから昔みたいにはじけやがってな。辰馬が持ってきた高い酒を呑んではしゃぎまくり…
特に辰馬がはしゃいでた。歳のクセに…一番にはしゃぎ出して、久しぶりに懐かしいゲームをしたり…ゲームをしたり…ゲーム……。
結果は俺の完敗。
「ゲームに負けた奴は何か罰がなければな」
「そーじゃそーじゃ!よー言ったきにヅラ!」
嫌な展開になってきたことに俺は素早く察知し、俺は咄嗟に「トイレ言ってくるわ」と言ってエスケープを狙った。
しかし、俺の着物の裾を掴む悪魔の手がそれを許さなかった。
「逃げるこたァあんめェよ?」
ニヤリと笑う高杉は実に愉しそうに言った。
魔王や!魔王が居るぅぅぅ!!
俺は冷や汗を流しながらその場に正座した。
あれ?今真冬だよね?汗が止まらないよー高杉さんー
「罰ゲームは…そうじゃな、何かあるかの?」
「俺はいいモノ持ってるぞ」
ヅラの懐から、不自然に出てきたポッキー１箱。
いやまさかな。
イヤイヤイヤイヤイヤイヤまさかな。お前ら、んな定番な罰ゲームやらねーよな?銀さん信じてるからな?
しかし
案の定馬鹿ヅラはポッキーを１本出すと俺に加えさせやがった。
「さぁ、誰とポッキーゲームやるか」
「やらねーよ!!」
ガリッとポッキーを噛み、床に叩きつけた。
「食べ物を粗末にするとは…全く」
「食べ物罰ゲームにする奴に言われたくねーよ!」
そういえばさっきから黙っていた何時も無駄に煩い辰馬に目を向ければ、何故か床に倒れていた。
そして、ドカッと音がしたかと思うとあんなにハイテンションだったヅラも床に倒れた。
しかも幸せそうなウザい面しながら。
「やっと効きやがったか」
「え…?な、なんで高杉」
なんか優雅にソファーで煙管吹かしていた高杉に聞けば、辰馬とヅラが呑んでいた酒を指差した。
「睡眠薬入れといた」
「…いつ入れたのよ」
「テメェらが気づかねェ間さ。やっと静かになったなァ銀時」
高杉は煙管を灰皿代わりの小皿に置くと、笑いながらヅラが持っていたポッキーを１本取った。
そして俺の口に無理矢理ぶっ刺して頬を両手で挟み、
「罰ゲーム、やろうや」
「お前がやりたかっただけかよ!!!」
「黙ってろ。おっ欠いたら負けだっけか?」
ゆっくり噛みながら近づいてくる高杉の端正な顔に心臓が破裂するくらいヤバい。
酒のせいで余計興奮するし、もう……唇が触れるか触れないかの所で俺は目を閉じた。
その瞬間
ガリッ
「あ!」
「テメェの負けだ。ｸｸｯ…いい面ァしてたぜ」
そのまま高杉に噛みつくように唇を奪われた。
頭の中では「バカバカー!お前がカッコ良すぎだから焦ったんだよ」とか思うが、口には出さず高杉のキスにただ酔っていた。
「ラブラブじゃの〜おんしら」
「俺とはポッキーゲームしてくれなかったのに。ずるいぞ高杉!!」
不意に聞こえた二人の声に俺は急いで高杉から離れた。
そして手で唇を拭きながら振り返ればニヤニヤ見る馬鹿二名。
恥ずかしさで何も言えない俺に対し、高杉は舌打ちをしながら俺を抱き締めた。
「ちっ。…象でも寝ちまうくらいの睡眠薬飲ませてもダメか」
「んなっ!?コイツら死ぬからね高杉君?!つか…お前らスゲーな!!」
「ほれほれお２人さん、わしらは気にせんと続きを…」
「するかバカヤロォォォォー!!!!」
「銀時ィ!!」
後ろから抱き締めてくる高杉がいきなり叫ぶから顔だけ振り向けば、ちゅっ〜とキスされた。
「〜〜っ!!…ぷはっ!何すんだ高杉!」
「今年もよろしくな」
「えっ?…あぁ、うん」
時計を指差されて見れば、０時ジャストだった。
「フゥーフゥー!明けましておめでとう」
「フゥー!熱いの〜見せびらかしちょって!明けましての初ちゅーか。…このリア充爆発せんかの!!」
「んだと…テメェの頭が爆発してんだろうが!」
「いい加減に空気読めェェェェモジャモジャと馬鹿ヅラ!!!高杉刀仕舞えっ!…マジでいい加減にしろぉぉぉぉ」
除夜の鐘が鳴り響く０時過ぎ。
騒がしい俺達の宴は朝方まで続いたという…
完
―――――――――――
明けましておめでとうございます!!!
収集つかなくなってぐだぐだなｵﾁになってしまいました…orz
今年もよろしくお願いします
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